ブタ5
「これは、ちょっと厄介ね。」
赤美ちゃんの前には、木の家が建っていました。
そう、ブタ二の家です。
「木は頑丈だし、マッチはもう使い果たしちゃったし・・・・どうしようかしら。」
赤美ちゃんが≪うー、うー≫唸っている足元には、ロープで縛られているブタ三がいました。
しかし、ブタ三の顔は、なにやら嬉しそうです。
(クックックッ。ざまぁーみろ!ブタ二兄さんが作った家が、壊せるわけないだろ。お前の負けなんだよ。さっさとボクを解放してここから出て行け!)
ブタ三が、そんなことを思っていると、
「なに?その顔。これで勝ったつもり?いっとくけど、あんたを今すぐここで食べてもいいのよ?そうする?そうするか。そうしよう☆」
赤美ちゃんは、目をギラギラさせてロープでブタ三の首を絞めようとしました。
ブタ三が必死で抵抗しようとしたときです。
「何してるんだ?」
赤美ちゃんが後ろを振り返ると、そこには赤美ちゃんの友達の『シンディ』と『白雪』がいました。
「シンディ。白雪。実は・・・・。」
赤美ちゃんはこれまでの事を2人に話しました。
すると、白雪はニコニコしながら言いました。
「そんなの、その子を使えばいいじゃない〜。」
「えっ?どうするんだ?白雪。」
「あのね〜・・・・」
白雪は二人の耳元でコソコソと話し始めました。
ブタ三は、それを不思議そうに見ていましたが、話を聞いた赤美ちゃんとシンディは、
「「なるほど!!」」
と、言っておもむろにブタ三を見ました。
「えっ?えっ?」
ブタ三は≪オドオド≫≪オロオロ≫。どうしたらいいのかわかりません。
「な〜に、大丈夫。何にも心配することはないわ。」
「そうだぞ。ただ、すこ〜しお願いをきいてくれれば・・・。」
「というか、きかなかったら、あなた今すぐ丸焼きにして食べちゃうから〜。」
ブタ三は、目に涙をいっぱい溜めて、震えながら、
「な、なんでも言ってくださいぃ〜。」
と、言いました。
3人はその言葉を聞くと、ブタ三に計画の内容を話しました。
ブタ三はそれを聞いて、目をいっぱいに開けると、3人の顔を見て戸惑うように言いました。
「そ、それは・・・あの・・・ちょっと・・・・・」
すると、赤美ちゃんはブタ三の首のロープを絞めながら、
「じゃぁ、食べられる?今すぐ、ここで。」
と、言いました。
☆赤美ちゃんのお友達紹介☆
『シンディ』・・・少し男勝りだが、しっかり者でまとめ役。
赤美ちゃん達が通っている学校の理事長の息子(お金持ち)
と付き合っている。三人姉妹の末っ子。
『白雪』・・・とても可愛らしい容姿だが、腹黒の毒舌家。
自分専属のボディーガードが7人もつくほどの大金持ちの娘。