ブタ2
周りの木々が青々と色鮮やかになってきたこの時期、その中に一際大きい木がありました。
それを見上げていた、ブタ二とブタ三は時間が止まってしまったかのように、ピクリとも動きません。
その傍らには、ブタ一がニコニコしながら立っていました。
その、一際大きい木の上にはレンガ造りの家が建っていました。
「どうだ!凄いだろう?木の上ならアイツもなかなか来れないだろう!」
ブタ一は腰に手を当てて≪えっへん!≫という感じです。
(なんか・・・今にも落ちてきそうなかんじなんだけど・・・)
(木の上にレンガは、無理があると思うんだけど・・・)
でも、そこはやっぱり優しい弟達。兄の顔を見て・・・
「確かに、これは凄いね!ブタ一兄さん。」
「こんな事、誰も思いつかないよ!」
と、微笑みながら言いました。
「そうだろ?それに、お前達の家もあるんだ。アイツが来ても絶対大丈夫だよ!」
「僕の予想では、3日後がアイツの誕生日らしいから、その日に来ると思う。」
ブタ二は、深刻な顔つきで言いました。
「で、でも大丈夫だよ!家の中にいればきっと安全だよ。」
「そうだ!恐れることはない!少しでも無理と感じればアイツは諦めるさ!」
ブタ一はそう言うと、ブタ二を励ますように肩をたたき、それぞれ自分の家へと帰っていきました。
そして、3日後のお昼。
仔豚たちがいる方向へ進んで行く一つの影がありました。
「豚肉♪焼豚♪トンカツ♪酢豚♪豚バラ♪ローストビ〜フ♪♪」
その奇妙な歌は、森中に響き渡りました。
さて、この歌の正体とは・・・!?