【特別解説】神様とお別れした時代とは?
というわけで、初の解説オンリー回です!
『忍の里』で行われた超能力と魔術に関する話があまりにも分かりづらいらしく、ブックマークが一気に減る事態。圧倒的な自業自得でした。番外編にすべきでしたね……。
零能力者の世界観に関する裏話ですので、興味のある方だけお読みいただければなと思います。
本当に裏話ですので、読まなくても本編には一切支障がないです。ではでは。
あとは火道寛政先輩と佑真、波瑠にお任せしていきましょう。
さて。
ここからの解説は俺、文武両道・才色兼備の火道寛政がお送りするよ。
佑真「師匠のナルシスト設定懐かしいな……」
ちなみに、ハーメルンには画像解説を添付しています。「小説家になろう」をお読みの皆様でもしこの酔狂な読み物をお読みになる方がいれば、以下のリンクから飛んでみていただけると分かりやすいかもしれないですね。
(準備中)
ま、文章だけで伝わるよう努力はしますけれど。
というワケで特別講義の幕開けだ。お相手は以下の二人。
波瑠「私、波瑠と佑真くんでございまーす」
佑真「どう考えても正解担当とボケ担当なんだが……」
では早速始めよう。
【①神様とお別れした時代とは?】
まず「神様とお別れした時代」を解説する前に、前知識として「近代化」および「科学」という単語を解説していこう。
では「近代化」について。
「近代化」が始まった時期はわかるかな、波瑠ちゃん?
波瑠「17世紀から18世紀……ですか?」
正解。この時代が所謂「神様とお別れした時代」に該当するんだ。
波瑠「歴史の授業だと『中世』と『近代』の境目ですよね」
佑真「なんでなんすか?」
人々が信仰していたモノが『神話』から『科学』に変わったからさ。
例えば佑真クン――波瑠ちゃんが何もない場所で転んだとした。それを見てどう思う?
佑真「波瑠って運動神経悪いなぁ……って思います」
そう、転ぶのは〝波瑠ちゃんの不注意〟に原因があると思うよね。
だけどこれを違う風に解釈する時代があった。『〝神の意思〟によって波瑠ちゃんが転ばされたのだ』とね。
佑真「はぁ?」
馬鹿馬鹿しいと思うだろう? だけどこれが正しい『前時代』が存在したんだよ。
この世界は唯一絶対神によって創造された世界であり、全ては人間を超越した神の思し召しによって支配されている――代表的なのは『キリスト教』だ。
波瑠「あれですよね。神様が七日間かけて世界を創った~っていう」
そうそうそれそれ。
『キリスト教』には唯一無二・全知全能の神が存在する。
神に従うことで人間は幸福になれるんだ。
佑真「何すかそれ。変な話っすね」
波瑠「まぁ佑真くんは己で切り開いていく典型的な人だもんね……」
世界の主宰は〝神〟であり、人間は世界の一部である。
これが『中世』までの考え方だ。
けれど「近代化」が進むことで、主宰の地位に〝人間〟がつくようになった。
『近代』即ち「神様とお別れした時代」の幕開けだね。『近代』になり――――
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人間は世界の一部だ → 人間は自然の外側に立ち、それを観察して支配する存在だ
(主宰:神 → 主宰:人間)
――に考え方が変わった。詳しくは『デカルト二元論』をググッてほしいんだけど。
佑真「おお、主宰が〝神〟から〝人間〟に変わるんすね」
波瑠「どうして〝人間〟に変わったんですか?」
要因は色々あるんだけど、以下の三つが主な例かな。
1、産業革命が起こり、人々の生活が一気に豊かになった。
2、市民革命などによって封建的社会制度、いわゆる身分制度も崩れていった。
3、地動説の提唱や万有引力の発見によって、神話が否定されつつあった。
波瑠「3は里長様のお話でありましたね」
佑真「産業革命も関係あるんすか?」
そりゃあるよ。だって産業革命って科学技術の発達だぜ?
人類が神話から脱却し、科学の時代が幕を開けるのさ。詳しくは以下の通り。
1、産業革命によって生活が豊かになった人間は、共同体の中で生きるのではなく個人としての自由を得られるようになった。
2、市民革命によって人間は生まれもっての宿命に従うのではなく、人生を切り開くことができるようになった。
特に〝2〟に注目してみてほしいんだけど。波瑠ちゃんなら気づけるかな?
波瑠「ええと……あっ、宿命が否定されたんですね!」
その通り。
神様が定めた宿命ではなく、人間が自ら切り開く。一つの「神様とのお別れ」があった。
波瑠ちゃんが転ぶのは波瑠ちゃんのせいになったんだ。
そして本作は〝3〟がメインだね。
地動説の提唱、進化論の流布、万有引力の発見……『パラダイムシフト』や『コペルニクス的転回』と呼ばれる現象だ。
佑真「地動説は天動説の否定、進化論は神話の否定でしたっけ」
波瑠「進化論の方はまだ納得いくんですけど、地動説の提唱がなんで『神様とのお別れ』になるんですか?」
天動説はキリスト教のカトリック教会公認の説だったんだ。
また天動説とは、地球が中心にあり他の天体が周囲を回る説だ。
なぜ地球が中心にあるのか?
それは地球は神が創った存在・人間が生きている特別な惑星だったからだ。
だが地動説によって否定された。地球は特別ではなく惑星の一つにすぎなかった。
こうして神話がまた一つ否定されたね。
進化論や万有引力については挿絵に簡単にまとめてみた。参照してほしい。
さて、ひとまずまとめに入ろうか。
以上のように人間の常識が急変したのが『中世→近代』という時代。その名の通り『近代化』が進行した時代だ。
これを人は〝時代の転換点〟と呼び――本作内では「神様とお別れした時代」として扱われる。
この後、西洋諸国は植民地化を図ることで世界中に『近代化』をもたらしていく。
日本も鎖国が終わることで明治維新・文明開化で一気に『近代化』したよね?
産業革命や『コペルニクス的転回』によって神話が否定された。
その神話に代わって人間の常識になったのは? 人間の根幹を支える存在になったのは?
佑真「それが『科学』だった……」
波瑠「神様とお別れした時代――科学の時代の幕開け、ですね」
【②西洋の自然観】
では『科学』とは何だろう?
波瑠「…………」
佑真「数学とか理科とかじゃないんすか?」
近いようで遠いかなぁ。
というわけで、いつも通り例え話を交えて『科学』を説明しよう。
質問。この世界はどうやって誕生した?
佑真「何兆年も前にビッグバンが発生して、っすよね。里長様と話しました」
佑真クン、ドヤ顔のところ悪いけどさ。ビッグバンって何兆年も前なんだよね? なんでビッグバンが発生したって断言できるの? 見たの?
佑真「えっ!? いやそりゃ常識として……あれぇ? たしかに何でビッグバンなんて断言できるんだ???」
波瑠「言われてみればビッグバンって、誰も真偽は分からないんですよね。2132年現在、作中世界にもタイムマシーンはありませんし……ドラえもんより未来なのに……」
そういうこと。ビッグバンは『創世神話』をこそ否定するけれど、確たる証拠のある事実ではなく、あくまで仮説にすぎない。
では逆に波瑠ちゃん、この世界が神様によって作られた、という『創世神話』を否定できるかい?
波瑠「……できません」
佑真「悪魔の証明じみてますよね。ゼロパーセントは証明し難いってやつ」
変な単語は知ってるなぁ佑真クン。
創世神話もビッグバンも『この世界はどうやって創られたのか』に対する仮説であることに変わりはない。
一つの疑問に対して『神話』か『科学』か、どちらのフィルターを通じてこの世界を見ているか、差異はこの一点のみ。
実のところ『科学』も一つの宗教にすぎないんだ──ということをまず知ってほしい。
続いて近代西洋の自然観について説明していこう。
西洋(近代)と東洋(前時代)は『自然と人間のかかわり方』が根本的に違っていた。詳しくは以下の図を参照だ。
東洋:人間は自然の一部
西洋:人間は自然を支配する
近代において、人間は理性を持つ唯一の存在だと考えられていた。
だから理性を持つ人間が、理性を持たない自然を支配してもOKだったんだ。
波瑠「……それがどう関わってくるんですか?」
実は、この考えが『科学』を支えているんだよね。
『前時代』では自然にも目的・意思があると考えられていた。……バカバカしいと思う気持ちはわかるけど、よく『神が怒り、嵐が村を襲った』なんて言うじゃない?
佑真「祟りってヤツっすね」
だが先述の通り、『近代』において自然は理性を持たない。
波瑠「……また『神様とのお別れ』ですか」
そう――自然には意識も・理性も・神の祟りも祝福も・特殊なパワーも存在しない。
ただあるのは原子と法則である。
自然は物理法則を基に成立する無機的な存在だ。この世界あるのは、理性によって捉えられた客観的な真実のみである。
こんな思考に基づいて、自然を解析・支配する知の体系こそが『科学』なんだ。
ここで『人間が自然を支配する』という構図を思い出そう。
じゃあ佑真クン、何を使って支配していた?
佑真「話の流れ的に『科学』っすよね」
正解。というわけで整理しよう。
人間社会の価値観は、『近代化』によってこのように変化した!!
~中世:神様が・全知全能によって・人間を含めた世界を支配する時代
近代~:人間が・科学を使って・自然を支配する時代
佑真「はーなるほど」
波瑠「こうして『神話』は否定されて『科学』が肯定されたんですね……!」
ちなみに二人とも、ここまでは前提の知識。
この次からが『これが奇跡の零能力者』についての説明になるんだけど――ついてこれるかい?
佑真「正直もうキツイんすけど!?」
【③魔術】
というわけでここから先は一般論ではなく、本作『これが奇跡の零能力者』における設定だ。センター試験や大学受験に利用できるのは②までなので注意してはしいかな。
では『魔術』について。
騎士団長メイザースの〝害為す光焔〟、誠クンや秋奈ちゃんの〝式神契約ノ符〟etc. 本作にもなんだかんだ『魔術』は多く存在する。
メインテーマである神上は、その代表的な存在だ。
本作における『魔術』も他のフィクションの例にもれず、『科学』と対極に位置する概念である。
まずはこれを認識してもらいたい。
佑真「はい質問。なぜ対極に位置するんすか?」
『魔術』は『神話』に基づいた非合理的な学問だからだよ。
波瑠ちゃんの《神上の光》を例にあげよう。
《神上の光》はありとあらゆる傷を回復させる。
折れた骨を修復するし削れた皮膚を再生させるが、その素となる炭素やカルシウムは一体どこから登場した? 質量保存の法則を違反してないか?
これは物理的には──『科学』には説明できない現象だ。
けれど『神話』を使えば説明できるA。
『天界にある「天使の力」というエネルギーによって治癒された』とね。
佑真「改めてこう書かれると、マジで何の説明にもなってないっすね」
波瑠「だけどありとあらゆる現象を説明できる……科学的根拠はないけれど」
いいこと言うね波瑠ちゃん。
魔術の全てが神話に基づいている訳ではないが(錬金術etc.)、しかし『魔術』の全ては『科学』と相容れない。
眼鏡とコンタクトのように、見えるものが同じでも見る方法が異なるからだ。
あらゆる現象を想像・主観で理由を付与するのが『魔術』。
あらゆる現象に理論・客観で根拠を定義するのが『科学』。
故に双方は対極に位置するし、更に言えば『魔術』の全ては『科学』によって否定される。(作者注:ちなみに“錬金術の否定→原子論”みたいな感じで、神話以外のあらゆる魔術も科学に否定されます。たとえ2019年現在で正答が見つかっていなくてもね!)
佑真「なんか魔術ってアヤフヤっすね……」
波瑠「私たちからすると違和感の塊ですけど、これが信仰され実在していた時代があったんですよね」
うん。しかし『近代化』を経て『魔術』は弱まってしまうんだ。
佑真「『神話』が否定されるから……っすか?」
正確には『神話』が否定されて『科学』が信仰されたから。
そして佑真クンが言ったように「魔術ってアヤフヤじゃねーか!」と脳に刷り込まれてしまったからさ。
例えば『1+1=?』と聞かれたとしよう。
佑真クンが『3』と答えたら波瑠ちゃんはどう思う?
波瑠「救いようのないバカだなぁ」
佑真「例え話だとしてもひでえ」
まぁでも、普通の人は波瑠ちゃんのように考えるよね。何故なら正解は『2』だからだ。
そして佑真クンに指摘・訂正する。その答えは間違っているぞ! 正しいのは2だぞ!
何度も何度も言われ続けたら、3が正解だと信じていた佑真クンも自分を疑い始めないかな? 実は間違ってんのオレの方だったんじゃね……? って。
佑真「あー……」
波瑠「説得っていうか脅迫っていうか……」
もしかしたら『神話』的には3が正しいのかもしれないよ?
けれど多数派は2だ。何故なら『科学』的には2が正解だからだ。
故に人間社会の大部分が『魔術』を否定・排除した。
そうして『魔術』は世間の表舞台からつまみ出されていったんだね。もしかしたら──
『魔術』は間違っていた! 正しいのは『科学』だったのだ!!
──なんて考えて『魔術』を自ら手放す者達も増えていったかもしれない。
こんな風に様々な要因を経て、『近代』以後、魔術は力を失っていった。主な原因は『近代化』に伴う魔術師人口の減少・神話信仰の薄れという訳だ。
波瑠「これもまた『神様とのお別れ』なんですね」
佑真「なんとも不幸な時代の流れっすね……」
そして本作には、『魔術』を弱体化させて「神様とお別れした時代」を決定づけた、歴史上のある出来事が存在する。最後にそのテーマを語るとしよう。
【④神様とお別れした時代・新たなる戦争】
本作は2132年という未来の日本・世界を描いたifストーリーである。まずこれをしっかりと認識してほしい。
そして本作の歴史には、現実と異なっている(ことを願う)大きな出来事があるよね。
波瑠「第三次世界大戦……ですか」
その通り。別名を第一次世界能力大戦。
2040年代から2116年まで続き今なお『休戦』状態にある、人類史上最大規模の戦争だ。
この戦争の発端にこそ「神様とお別れした時代」の答えが存在している。はい佑真クン、2020年には何があった?
佑真「『2020事件』……東京オリンピックと大規模テロっす」
…………とまあ、おバカ代表の天堂佑真さえ即答できる大事件があった。
東京オリンピック・大規模テロだ。
ざっくり言えば新国立競技場ほか各所に飛行機が突っ込んで大量の死傷者を生み出した、とんでもない大事件でね。2001年9月11日のかの有名な事件・アメリカ同時多発テロを思い出させ、世界中を恐怖と狂気で包み込んだ。
さて。そのテロを起こしたのは?
波瑠「……(とある宗教団体)ですね」
そう、(とある宗教団体)だ。
世界中から観光客が集まる祭典に対する攻撃だ──この行為に対する報復を世界が望んだ。
2020年東京オリンピックをキッカケに、世界は大きな流れを生み出したんだ。それを象徴する言葉が『新たなる戦争』だね。
佑真「何でしたっけそれ?」
戦争の構図が変わったから『新たなる戦争』と呼ばれているんだよ。(作者注:一般的には『新しい戦争』らしいです)具体的には以下の通りだ。
旧来の戦争:国VS国
新たなる戦争:国VSテロ組織
佑真「戦う相手が違うから『新たなる戦争』なんすね」
しかしこの『新たなる戦争』は面倒でね。まずテロ組織の潜伏先を見つけなければいけないし、潜伏先の国家に攻め入るには問題が生じる。単独国家ではなかなか攻略しがたい戦争なのさ。
そこで世界は手を結んだ。
アメリカ、ロシア、中国、EU諸国、もちろん日本も含めた世界連合が、人類史上初めて『VSテロ組織』を掲げて結託したんだ。
対象は人類の平穏な日常を脅かす、危険分子たる宗教団体。
すなわち悪を断じていく正義のための戦争だよ。
佑真「この部分だけはいい話っすよね。全世界が一致団結したんすから」
波瑠「うん。テロ自体は最低最悪だけど、その後に敵対していた米露が手を取り合えたのは――ここだけ切り取れば素敵な話」
そう、黎明期の『新たなる戦争』は人類が危機に及んだ際に手と手を取り合えるって証明した。人類の強さを証明した――――はずだったんだ。
だけど、ある問題が発生した。
波瑠「宗教排斥運動……ですね」
本来であれば過激派宗教団体のみを駆逐するはずだった『新たなる戦争』は徐々に歯止めが利かなくなったんだ。
2030年代。
『新たなる戦争』の発端は、宗教にあった。
「宗教があること──神や仏といった非科学的存在への信仰Aに全ての原因があるのではないか?」と言及した世界連合の一部が様々な宗教団体を排除するために動き始め、最終的にはキリスト教徒や仏教徒らと明確な対立をした。
(作者注:怖くなってきたので明言しますが本作はフィクションです。現実のそれとは全く関係ありません)
いうなれば『科学』VS『神話』になってしまったんだね。
もはや国家という括りにさえあらず。思想や信仰のぶつかり合いの勝者は──『科学』だった。
波瑠「この宗教排斥運動……『新たなる戦争・後期』の後、各宗教団体は規模縮小を余儀なくされたんですよね。それこそ表舞台からつまみ出されるくらいに」
佑真「…………ていうかキリスト教とか仏教とか言われても、ぶっちゃけオレはピンと来ないんすよね」
――――この何気ない佑真クンの発言に注目しよう。
宗教は排斥された。
その結果、キリスト教や仏教でさえ、2132年現在の子供達にはなじみが薄いものになったんだ。
俺達はてるてる坊主を飾らないし、雷が落ちてもへそを隠さない。
初詣やクリスマスは、もはや祭りや生活習慣という側面しか残っていない。
何故ならこの世に神様なんて存在しないから。
それらには科学的根拠がないから。
神様が実在すると信じて祈る人間は、この地球上でごく少数派になった。
こうして「神様とお別れした時代」は完成した。
【終わりに】
人類は『近代化』と『新たなる戦争』という二つの〝時代の転換点〟を通過した。
道徳的な逸話や生活習慣を除いて、神への盲目的な信仰は大方駆逐された。神話は文学の一種になったし、宗教は民俗学と歴史に落とし込められた。
今の人間達の思考の根底には、以下の二つが存在する。
①人間が・科学を使って・自然を支配する時代 → 神様なんていない!!
②あらゆる現象に理論・客観で根拠を定義するのが『科学』
だからこの世界に《神上の光》が存在するのは不自然だ――っていうのが里長様の話だったんだ。
佑真「んで『科学』の限界点として《超能力》が登場した、と」
波瑠「忍の里では超能力=魔術って説が結論でしたけど、結局それはどうなんですか?」
それはこの辺の説明を参考にしていけば、自ずと答えは出ると思うよ。
1、『魔術』は『神話』に基づいた非合理的な学問。
2、《神上の光》はありとあらゆる傷を回復させる。
3、折れた骨を修復するし削れた皮膚を再生させるが、その素となる炭素やカルシウムは一体どこから登場した? 質量保存の法則を違反してないか?
4、これは物理的には──『科学』には説明できない現象。
5、けれど『神話』を使えば説明できる。
6、『天界にある「天使の力」というエネルギーによって・治癒された』と。
これを組み替えると、
1、《超能力》は『超能力』に基づいた非合理的な学問。
2、《霧幻焔華》はエネルギーを自由自在に変換する。
3、雷を熱エネルギーに換えるし風を熱エネルギーに換えるが、熱力学第二法則を違反してないか? そもそもどんなプロセスで変換しているのか?
4、これは物理的には――『科学』には説明できない現象。
5、けれど『超能力』を使えば説明できる。
6、『波瑠が発動した超能力によって・エネルギー変換された』と。
波瑠「これを改めて見ると……」
佑真「超能力は科学技術の限界点って売り文句がクソみたいに思えんな……」
第九章にして明かされた真実。
超能力と魔術は、実は同じオカルトに所属するものだった。
そんなオカルトの最高地点、十二種類の《神上》を巡る物語。
しかし舞台は「神様とお別れした時代」――2132年。
佑真「ややこしい世界観だな本当に!!」
波瑠「この話を読んでも混乱するだけだったんですけど!?」
というワケで説明はここまで!
ご質問などあればお気軽にどうぞ!! またお付き合いいただきありがとうございました!! 次回からは本編に戻りますよー!!




