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●第九十三話 We pray to GOD BLESS.

《神上》が絡むと超理論になるので難しいんですが、超理論を現実のものにするからこその《神上》なんだよなぁ、と一人で納得していたりします。

『六本木、制圧完了しました』

『こちら武蔵境、パワードスーツ駆逐完了と思われます!』

『八王子市もパワードスーツの出所を押さえました。路上の残党を排除するのみです』


 各地からの報告が飛び交うオペレーター室。

 総指揮を請け負ったステファノ・マケービワは次々と舞い込む朗報に、ひそかに胸をなで下ろしていた。


「被害者の報告はやむことがないですが、波瑠お嬢様や白神様からの治療報告も次々と舞い込んでくる。事態は着実に終息へ向かっていると考えてよいのでしょう」


 彼の眼前には、東京都と周辺の地図が立体映像で浮かび上がっている。そこには総数二十一に及ぶ『パワードスーツの出現地』が示されていた。

 うち九割は、すでに【ウラヌス】が破壊したことが報告されている。

 街中に出現した膨大な操縦士なき敵兵も、大方を鎮圧。

 事態が始まってから五時間経たずにこの成果というのは、称賛に値するだろう。

 しかし――ステファノの安堵は『ひとまず』に過ぎないものだった。


「黒幕が見つかっていないことも懸念の一つですが……最後の関門もどうにかしないといけませんね」


 一つは述べた通り、この大規模テロを起こした犯人像が全く浮かび上がってこないこと。

 路上を闊歩するパワードスーツはすべてが無人であり、捕虜などを捕えて情報を聞き出すなどの手段が使えない。拷問の許可はすでに真希から貰っているのだが、ステファノの用意は無駄となる結末が予想される。

 桜に進撃を中断してハッキングに専念してもらったのだが、彼女の技量を以てしても追跡しきれなかった。曰く、防御はかの【神山システム】に匹敵するとのことだ。


 もう一つは、言わずもがな被害者の総数である。

 殺害された者、重傷を負った者は数えきれない。波瑠と、治癒に関しては彼女の魔法に匹敵する肉体再生の超能力《魂魄集合スピリチュアルリクレイム》の使い手――白神惣一郎軍医総監の二人へかかっている負荷は想像を絶する。

 波瑠に関しては元があの性格だ。彼女の精神的支柱としてキャリバンを護衛につかせたものの、女子中学生が背負うべき責務はとっくのとうにオーバーしていた。


「それでもお嬢様に頼るほかない……我々もなかなか無力なものです」


 歯噛みするステファノは、最後の懸念へ思考を移した。

 即ち――――それは、都内数か所で新たに出現したパワードスーツ群。

 これまでと違う点はただ一つ。


「《認識阻害》……常人には見ることも聞くこともできない、認識から外れた襲撃者」


 視覚的に誤魔化すのではなく、音を消すのでもなく、認識から外れるパワードスーツ。

 それがある時間を超えてから、局地的に出現するようになったのだ。

 一般人はおろか、軍や警察をも容易く殺し尽くす『暗殺兵』に現在対抗できているのは、通常と異なる方法を使って戦える桜と、

 こちらもまた特殊な方法で《認識阻害》を破る日向雄助、

 そして《認識阻害》がそもそも通じない天堂佑真の、たった三人だ。


「……ここでも子供の手を借りなければいけないのですね、我々は」


 うすらと見開かれるステファノの瞳は、オベロンの小隊に佑真が合流した、という報告の一文を追っていた。



   ☆ ☆ ☆



 その少し前。

 佑真はエアカーで全速移動中に、雄助より認識できないパワードスーツ――仮にステファノの言葉を借りて『暗殺兵』の説明を受け終えていた。


「なるほどな……で、ようはオレの《零能力》で《認識阻害》をぶち壊せってこと?」

「それができれば苦労しないんだけどね。ステファノさんから聞いたけど、佑真くんのそれってかき消せる範囲はすごく限定的らしいじゃん」

「ああ。たとえば広範囲を対象に《思念伝達(テレパシー)》を使われると、オレは三秒で『オレへの回線』は消しちまうが、他の人、たった数センチ真横の人であっても、そっちまで消すことはできない。《認識阻害》も能力者を叩かない限りは、自分に関わる範囲しか消せないぞ」

「それはステファノさんも承知の上だよ」


 じゃあどうすんだよ、という佑真に対して雄助はハンドルを切りながら、


「佑真くんには、徹底的に司令塔になってもらうんだって。その目で見たパワードスーツの位置、数、形状を伝えてオベロンさんたちに攻撃してもらうんだ」

「また高難易度なことをさらりと求めてきやがったな……」


 少しでも言葉を間違えれば、オベロンや彼の同志を命の危険に晒す。

 佑真にそれだけの責任を負え、と拒否権なしで突き付けられたのだから嫌になる。


「やっぱり怖い?」


 顔に出ていたのだろう、雄助が不安げに問いかけてくるが、


「怖くてもやるしかないんだから、やってやるよ」


 頭を振った佑真は、見覚えのある紅蓮の大剣を視界に捉えた。やっと到着だと小さなため息をついて、雄助がエアカーを会話可能な高度にまで下げる。


「オベロンさん、佑真くんを連れてきましたよ!」


 雄助が手をブンと振る。焔で鋼の巨体を容易く両断した金髪長身の男は、空を舞うかのごとく人間離れした跳躍でエアカーの傍に着地した。


「雄助か。悪いな、お前には今日都内中を走り回らせている気がしてならん」

「最年少はパシられるもんですって」

「心強い言葉だな。――――天堂佑真。雄助から話は聞いたと思うが、俺達の目になってもらう。連絡は通信機で行うが、俺以外にも克哉さんをはじめ十数名と連絡が取れるようになっている。番号なども準じて教えるが、とりあえず遠視ゴーグルと『梓弓』は持っているな?」


 オベロンの確認に対し、佑真は腕を掲げて見せる。学ランの袖は普段より少しだけモコッと盛り上がっていた。

 佑真は出撃する直前に、念の為、とステファノより遠視用のゴーグル、そして『梓弓』という名称の防具を借りていた。外見のみを見れば、手の甲から肘まであるアームアーマー。しかし手首付近にワイヤーの射出口があり、ワイヤーの先端には鉤爪(かぎつめ)がついている。

 これを撃ち出して壁に打ち込んだり、あるいは手すりに引っかけたりすることで、蜘蛛男のごとき空中移動ができるようになる、らしいのだが……(ちなみに『梓弓』の名称は第一モデルがボウガンに似た形だったからだそうだ)。


「一度も使ったことないモン渡されても、正直使いこなせる気がしないんだけど」

「『梓弓』は保険みたいなものだ。これから天堂佑真には、ビルの屋上で戦況を見てもらう。が、そこも必ず安全ではないからな。いざ奇襲を受けた際に緊急離脱として、一度きりの命綱程度の使い方をしてもらえば構わんよ」

「さいでしか……使わないことを祈ってやる」

「俺達も使わせないよう努力する。――さて、立ち話している時間も惜しい。《認識阻害》を敗れるのは天堂佑真、貴様を除いてそうはいないのだ。頼りにしているぞ」

「見えるっつっても司令塔なんてゲーム以外でやったことないからな。適当な指示になっから、オベロンの方こそ、今までの何十倍も気ぃ引き締めてくれよ」


 なんつって、情けないけどな、と自虐的に笑った佑真はオベロンより必要事項すべてを教わり、エアカーにてビルの最上へ向かう。全域が一望できそうな、頭一つ抜けたビルで下してもらい、試しに遠視ゴーグルを下げた。

 豆粒サイズだった日向克哉の姿が鮮明に映り、うおっと思わず声を上げてしまう。


「どう、佑真くん。見えた?」

「正常に機能してるぜ。視野が若干狭まるのが怖いけど、問題なしだ」

「そっか。じゃあ俺は行くね」

「おう、行って来い。こっちはオレに任せとけ」


 サムアップにサムアップを返し、雄助がエアカーを発車させた。

 その余波を浴び、夜空色の髪が揺れる。そろそろ髪も長くなってきた頃だ。この戦いを無事に終わらせたら散髪するか――大丈夫だ。心は驚くほどに落ち着いている。

 地獄を見て、心が委縮していた。

 殺戮を見て、自らの無力さを目の当たりにした。

 惨状を見て、はやる体と怯える心のズレが疼いていた。

 だけど、寛政の背中を見た。

 他にもたくさんの『正義の味方(ヒーロー)』の姿を見た。

 民間人も、警察も、親友も、軍人も、恋人も、年下の少年少女までもが、誰かの為に戦っていた。

 決して被害者を零にすることはできない。それは波瑠にも不可能な絵空事であり――――けれど、誰しもがその為に全力で戦っていた。


「オベロン、始めるぞ。とりま十時の方向、六機来てる!」


 零能力者にも、理想を追うのが許されるならば。

 この場で全力を賭して、その理想を追ってみようか――――



   ☆ ☆ ☆



 佑真をオベロンの下へ送り届けた雄助は、エアカーを走らせてふたたび単独行動(、、、、)に躍り出る。

 ステファノより連絡の合った『暗殺兵』の推定出現箇所へ向かえるのは現状、桜と真希小隊を除けば雄助しかおらず――彼の特殊な看破方法は、残念ながら彼一人の時にしか使えない荒業であるため、単独行動は必然のことだった。

 言われた地点に到着し、俯瞰から見下ろすと――なるほど。


「路上で突然血を噴いて地に屈する警察……ショッキングな映像だな」


 いくら【ウラヌス】に名を連ねているからといって、雄助だってまだ中学生だ。恐れこそすれ、その惨状は胸を貫く憤りを生む。

 さればこそ。

 全力で押しつぶしてやる、と雄助はエアカーをホバリング状態にすると、王が地の兵を屈服させるがごとく、左腕を掲げた。

 その動作に呼応して、彼の左肩が輝きを放つ。

 それは波瑠や桜の扱う白い光によく似た性質を持った――

 ――しかし、何よりもどす黒い輝きであった。



 黒い光の源泉となるのは――十二の星座と六芒星が構成する《神上の魔(ゴッドブレス)》の魔法陣。

 日向雄助。彼もまた、十二人の選ばれし魔法所有者の一人であり。

 魔王の字を擁する《神上》が司るのは、()の対、即ち『絶望・悪』である。



 雄助の左腕に集約された黒の光はやがて柱と化して、振り下ろす動作に連なって大地を穿つ。物質的威力を持たない光柱は概念的に影響を及ぼし、路上の至る所にノイズが走る。

 ノイズは《認識阻害》が崩れゆく証拠である。やがて姿を現した鉄兵を、


「SET開放――喰らいやがれ、暗殺兵!」


 雄助は、間髪はさまずに《雷撃能力(ボルトキネシス)》で迎撃した。

 雷鳴轟き、雷神(トール)もかくやというほどの稲妻の質量が次々とパワードスーツの身を焦がし尽くす。その一部始終は本来の雄助の能力を上回る結果だが、それも《神上の魔(ゴッドブレス)》の効力が一枚噛んでいた。


 桜の《神上の聖(ゴッドブレス)》が味方を強化するならば、ちょうど真逆に位置する《神上の魔(ゴッドブレス)》は『強制的に弱体化を付与する』という、呪いとも呼ぶべき恩恵を宿していた。

《認識阻害》を、誰の目にも映るレベルへと薄めたり、

 単独歩兵の超能力を、周囲を弱体化することで相対的に対軍レベルの威力へ欺いたり。


 使いこなせばあらゆる局面で下剋上を可能とするこの魔法は、応用の幅が異常なまでに広く、正直言えば雄助の手に余る。

 たとえば傷ついた人間の痛みを『軽減』して麻酔代わりとする些細な使い方があれば、病原菌の活動を弱体化させ、人類史を書き換えかねないほどの効力を発揮する可能性もある。


 もしかすれば、集結(アグリゲイト)をも打倒しかねない。

 故に、これを所有していることは【ウラヌス】の面々にも隠していた。

 桜と表裏に存在する《神上》を知る者は限りなく少ない。真希、ステファノ、両親、波瑠と桜にも出撃直前に教えたが、残るは天皇劫一籠とその配下、といったところか。


(後で佑真くんにも教えとくかな――!)


 黒い光を縦横に撃ち込み、次々と《認識阻害》を崩しては雷撃を叩きこむ。

 呪いだなんだと語ったが、波瑠だって《神上の光(ゴッドブレス)》で一度も生者を殺していない。

 所有者の使い方次第で、呪いと奇蹟は表裏を別にする。



   ☆ ☆ ☆



「……今の攻撃、まさか――――」

「……ハハッ、やっぱそォこなくっちゃ、面白くねェよなァ――――」


 そして、この地点では。


「――――よりによってお前かよ、集結(アグリゲイト)!」

「――――――やっぱりテメェが一番面白ェよ、天堂佑真ァ!」


 最強と最弱が、二度目の邂逅を迎えていた。



   ☆ ☆ ☆



 三十分ほど経っただろうか。

 オペレーターの遠隔操作に運転を委ねて戦場を激走していたエアカーは、一つの蒼い流星とすれ違った。


「波瑠さん!?」

「――――雄助くん!」


 エアカーの主導権は雄助側が握っているため、急ブレーキをかけて静止した波瑠の横を少し通り過ぎて静止する。得意のエネルギー変換で空中にごく平然とホバリングする波瑠の技量は相変わらずだが、表情はいつになく焦りに満ちていた。


「どうしたの!? 今日は単独行動じゃなくてキャリー先輩と同行してんじゃなかったの!?」

「そ、そうなんだけど……雄助くん確か、一旦佑真くんと合流してたよね!? 今どこにいるかわかる!?」


 肩をガッと掴まれる。恋人が危険な地帯に行ったんだ、心配になる気持ちはわかるけど……。


「佑真くんならオベロンさんの隊と合流して」

「それは知ってる! その後佑真くんが、また集結(アグリゲイト)と戦ったらしいんだよ! 交戦後しばらくしたら、連絡が途絶えちゃったって……所在もわからないっていうし……」

「……マジかよ」


 そんな知らせは聞いていない。そもそも、あの集結(アグリゲイト)と戦った? ――そういえば轟音は聞こえたし、一瞬ド派手な地響きがした記憶もある。だけど、《神上の魔(ゴッドブレス)》を持つ自分でも勝つ確証はないあの化け物と再び戦い、再び生き延び…………違う。

 波瑠がここまで焦っているのだから、生きているかがわからないのか!


「ご、ごめん波瑠さん。俺も佑真くんと別れてから結構時間経ってるから、場所は全くわかんねえ……」

「そうだよね。雄助くんに聞いても仕方ないよね。時間無駄にしてごめん。もうほとんどの場所で戦いは終わってるから、あとは雄助くんと桜が頼りだよ。ラストスパート頑張って!」

「待った!」


 雄助は去ろうとする波瑠の腕を掴み、あまりの細さに折れるんじゃないかと変な焦りが脳裏をよぎる。って、人の嫁に何を考えているんだか。

 頭を振った雄助は通信機で桜へ連絡を取った。要件は無論一つ――残るすべての『暗殺兵』を単独で殲滅できるか否かの問いかけだ。


『愚問よ雄助。――ただ、わたしが探しに出た方が速いけどそこはどうする?』

「お前は集団戦が出来るのに対し、俺は単独行動が前提だ。効率的にはお前の方が高い。ここは自分の役割を貫いてくれ」

『これから私情に首突っ込む男が言う台詞? まあいいや。お姉ちゃんのこと任せたよ』


 ブツッと向こうから通話を切られてしまった。問答無用で波瑠のサポートをしろ、という意思表示だろう。桜の性格は随分とサバサバしたものになったようだ。


「雄助くん?」

「ごめん波瑠さん、時間食わせちゃって。俺も行くよ」

「えっ!? で、でも雄助くんには『暗殺兵』を倒す役割がある。……佑真くんに釣られて役目を投げ捨てた私が言えることじゃないけど、雄助くんはそっちに専念すべきだよ」

「大丈夫。どうやら波瑠さんの大好きな妹の方が、そっちは全面任せて姉ちゃんのこと助けてやれってさ」

「桜……うん、わかったよ。雄助くん、力を貸してくれてありがとうね」


 やわらげに微笑む波瑠に少しドキリとさせられる。

 誤魔化すように咳払いをし、雄助はハンドルを握った。

 とりあえず目指すは、佑真を降ろした地点だ。



   ☆ ☆ ☆



「お姉ちゃん、勝手な行動取ってくれるなぁ……」


 通話を切った桜は、手首をポキポキと鳴らす。波瑠が佑真や自分がらみのことで冷静さを失うのは、言い方はひどいが『いつものこと』。


 それより桜の関心を引いたのは雄助の方だ。

 あいつと会ったのは幼少期以来で、どんな性格だったかも正直覚えていなかった。ただ数日間をともに過ごしただけの、記憶すら薄い幼馴染。

 それがいつの間にか【ウラヌス】で一戦力と数えられ、随分男の子らしい人柄になった。

 彼がいれば、波瑠も冷静さを取り戻すだろう――なんだかんだ、あの人の根底は『お姉ちゃん』なのだ。年下の前では驚くほどにしっかりしてくれる……と、信じている。


「それじゃあわたしはわたしの役割を専念しないといけないんだけ、ど!」


 ――アホ毛がひょこんと跳ね、


「そこか!」


 左手を突き上げた桜は、莫大な質量の雷撃をおそらくそこにいる『暗殺兵』に叩き込む。壮大な威力がパワードスーツに炸裂し、機能を停止するや否や《認識阻害》が解除された。


 佑真が解除し、雄助が弱体化をして《認識阻害》を打倒するのに対し、桜は《認識阻害》を妨げる手段を持たない。

 しかし彼女は、異常な方法で《認識阻害》を突破していた。


 電磁波をソナーのように利用し敵を感知する方法――ただし機械でも行える(逆に能力でこの方法を正確無比で使えるのは、世界中で桜だけなのだが)この方法では、《認識阻害》の前に屈してしまう。


 だから桜は、電磁波のソナーを利用するのを諦め、別の手段に頼ることにした。

神上の聖(ゴッドブレス)》は端的に言ってしまえば『強化』を齎す奇蹟(ちから)である。

 それも潜在能力を引き出すのでなく、最大値を拡張する奇蹟。


 自分や仲間の第六感(、、、)を底上げすることで、『たぶんそこにいる』の命中率をたかが当てずっぽうにも拘わらず必中(、、)クラス(、、、)にまで(、、、)引き上げる(、、、、、)――――第三者から聞けば、アホじゃねえの、とバカにされる超理論だ。


 しかし、理論を超えた奇蹟を現実のものとするのが《神上》であり。

 現状桜とすれ違った戦力は全員『第六感爆上げ』を受け取ったため、『暗殺兵』掃討部隊の人数は雄助や波瑠の気にかけを杞憂とするほど大量になっている!


(だとしても、この感覚を一番うまく使いこなせるのはこのわたしだ。お姉ちゃんと雄助が欠けた今こそ頑張り時だぞ、天皇桜!)


 紫電を纏い、桜は虚空を敵に我ながらキモチワルイ戦闘を続行していく。

 大規模戦闘終幕の時は、すでに目前まで迫っていた。



実はそろそろ今章も終幕です。

あと二話くらいですね。

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