前氷姫について
「前氷姫って……」
「まあ、一代目の氷姫かしら?」
「氷姫ってロズさんじゃあないんですか?」
「私も氷姫よ。ただ、二代目ってだけで、」
「そ、それもそうですよねハハハ」
私はそう言い笑った。そして真剣な目で
「でも、生まれ変わりって……」
「ええ。詳しく話すわ」
ロズさんも私に負けずと真剣な目でいってきた。
「ユキナは死んだの。魔王の赤き手によって……」
「魔王?」
「あなたは、影の使いを見たことはある?」
「影の使い?」
私は正直な感想を言った。
「ええ。闇の力を持つ、使いよ。そして魔王はいわゆる私のような……」
ロズさんは言葉に困ったみたいだ。でも言いたいことは分かっている。
「氷姫のような強い存在ってことですか?」
「ええ。そうよ」
それもそうよね。言葉に困るのも無理ないわ。だって自分で自分を強いなんて言うのはナルシストぐらいですもの。
「そして、ユキナは魔王を封印しようとした。禁断の魔法で……」
「禁断の魔法って封印の禁断って言ったら……身封じの魔法ですか?」
「そ、そうよ。よく知ってるわね」
まあ、一回本で読んで知っていたのだけれど。
「でも、身封じって自分の身にその物体の魂、魔王で言う魔王の魂をユキナさん自身の体に封じこめるってことですよね?」
「ええ。うまくいきそうだったの。でも、私が魔王に……」
ついにロズさんは泣きだしてしまった。
「俺が話すよ。ロズにはつらいだろう」
「ユウキ! ロズさんにはつらい?」
「ああ、だって、ユキナは自分のせいで死んだと思っているんだよ。本当はそうじゃないんだがロズは自分が悪いと思っているんだ」
どういうこと?ユキナさんはロズさんのせいで死んだ?






