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洋服屋さん
「ねーねユキちゃん洋服屋さん寄ってかない?」
「あの……私ベルもってないんですけど」
「ああ、気にしないで。おごってあげる!」
「でも、悪いし……」
「気にしない気にしない」
私は少々おされぎみで洋服屋さんにいった。
「こんなんどう?」
差し出されたのは背中が大きくあいた水色のワンピースだった。
「さ、寒そう」
「あ、そっち?それは大丈夫。ね?おばさん」
「ああ、ユウキくん。私が炎の魔法かけてあげるからあったかいよ。っていっても、ここ、魔導師洋服屋だからねえ」
ボソ
「ユウキくん大丈夫なの?ベル」
「心配しないで。あと、ユウキでいいから!」
「あ、うんわかった」
「で、この服でいい?」
せっかく買ってくれると言っているユウキが言うのだ。文句は言えない。
「うん。これでいいよありがとう!」
にこっ
私はそう言いほほ笑んだ。