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芽胞形成好気性ゾンビ化菌による空気感染カタストロフィ 概観

掲載日:2026/06/19

或る時、この惑星の生物は存続の危機に陥った。

最大の大陸東部に位置する、惑星最大の人口を誇る大国の大都市付近で始まった、どこからともなく空気中に漂い出した見えざる何かによる急速な汚染によって、人類、哺乳類、地上生物、地中、水中の別なく、生物がゾンビ化するか死に始めたのだ。


幸か不幸か、惑星全域で同時に進行したのではなく、狭い地域で始まり、空気感染のように広がったこと、それと汚染されても瞬時にゾンビ化したり死滅したりするのではなく、ゾンビ化するにせよ死滅して塵になるにせよ、発芽条件が或る程度は限定されていて、条件が揃って発芽しても栄養細胞化までに数日間の猶予があること、この二つの要因により、生存している人類の多くは何が起きたのかを把握することが出来ていた。


不幸だったのは、その情報があったにも関わらず、具体的な発芽条件までは未だ不明であり、有効な回避・防護策が見いだせないまま、レッドゾーンが時間経過とともに爆発的に広がった事だ。

結局、組織的抵抗が間に合わず、世界中の国家は一つ残らず崩壊した。


エアフィルターがなければ汚染不可避だった為に、ごく限られた人類以外は生存できなかった。

その生存も、長くは続かなかった。

何しろ空気感染するし、虫ですらゾンビ化したのだ。

ゾンビワームが空を飛び、壁を這い上り、隙間から入り込み、或はエアフィルターを食い破って侵入してくるのに、それを予想して対処できる人員など一人もいなかった。

かくして惑星の多細胞生物のほとんどが死滅した。


但し、宿主となる生物の死滅とともにゾンビ化菌もまた死滅。

死滅前に飛ばせた芽胞は80℃くらいまでは耐えたが、120℃での中程度の加熱で死滅。


それでも芽胞は条件が良ければ数千年間でも壊れる事なく残存し、いつでも条件さえ整えば活性化できるタフさを備えている。

この惑星はある程度以上の規模の多細胞生物にとっては等しく死の星と呼べる地獄に変貌した。


しかし、植物も含めて全滅した事により、酸素産生よりオゾン破壊速度が上回り、宇宙線が降り注ぐ死の星となった。

これにより、地上は滅菌されてゆく。

浅い海も。

深海はもともとこのゾンビ化菌が好気性だった為に生存に適さず、かくして惑星上から、長い時間はかかったが、遂に一掃されていった。


地中や深海の菌類などが主な生存者となって、以降の時代の生物へと繋がるのであった。


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