雨の日
外はしとしとと雨が降り続いていた。二人の住むアパートの窓から見える街も、どこか柔らかく濡れている。
「今日は一日、雨かぁ…」リナが窓際でカップを手に小さくため息をつく。
「でも君と一緒なら、雨の日でも悪くないね」ユウはソファに座ったまま、髪を少し乱したリナに微笑む。リナは耳まで赤くなって、目をそらす。
午後のひととき、二人は軽く談笑しながら、窓の外の雨音を聞いて過ごした。リナが指先でカップを包む仕草に、ユウの胸は甘く締め付けられる。
「そういえば、カフェ行くの久しぶりだね」
「そうだね、ちょっと外の空気も吸いたいし」
二人は傘を並べ、駅前の小さなカフェへ向かう。雨はまだ小雨が残っていたが、街の灯りが水たまりに反射して幻想的な景色を作っていた。
店内は温かく、コーヒーと焼き菓子の甘い香りが漂う。二人は隣同士で座り、手が触れそうな距離で向かい合った。
「これ、半分こしよう」リナが笑ってチョコレートを差し出す。
「君と一緒だと、チョコももっと甘く感じる」ユウは少し照れたように笑った。
カフェでは肩を少し触れ合わせたり、指先が偶然触れる距離感でお互いの温もりを感じる。言葉よりも動作で甘さを交わす時間。
帰り道、雨はやや小降りになり、二人は並んで歩く。ユウが傘を少し傾け、リナの肩を自分に寄せる。
「ねぇ…こうして歩くの、ずっと続けばいいのに」リナが小さくつぶやく。
「僕も…君と一緒なら、どんな道でも楽しい」ユウは自然に手を握った。指先が触れ合うだけで、胸が甘く熱くなる。
玄関で靴を脱ぎ、リナが少し体を寄せると、ユウは迷わず後ろから抱きしめる。温かさと柔らかさが心を満たす。
「ユウ…もう、我慢できない」リナの耳元で甘く囁く声に、ユウは笑みを浮かべて唇を重ねる。
キッチンで軽くおやつをつまみながら、肩を寄せ合い、小さな笑い声を交わす。外では雨が静かに降る中、二人だけの時間がゆっくりと流れる。
夜になり、ベッドに腰を下ろすと、抱きしめ合いながら互いの髪や肩に触れる。小さな吐息が胸に響き、唇を重ねる度に甘さが広がる。
「リナ…ずっと君だけを見ていたい」
「ユウ…私も…ずっと…」
手を握り、髪を撫で合い、肩を寄せ合う。雨音が静かにBGMのように流れ、二人の心も体も、甘くとろける温もりに包まれていった。
その夜、雨の日に始まった一日は、カフェでの穏やかな時間と、家での甘い密着で、二人にとってかけがえのない甘い記憶となった。




