Sタウンへ突撃調査
とある撮影カメラマンの取材で起きた?
僕は、都内にある編集会社の撮影カメラマンだ。主に心霊現象などを撮影するカメラマン兼アシスタントディレクターとして働いている。
取材で、群馬県にあるSタウンに行った。
ここは、30年前に廃村となった地域だ。
かつて農業や林業で栄えていた。軍人が農民にひどい仕事環境で働かせていた。「ささっと働け」と怒鳴りながら農民に対し、コキを使っていた。農村は軍人に土地を使わせてもらうかわりに、上納金を納める。今で言う「みかじめ料」みたいなものだ。飲食店のオーナーがヤクザに払うみたいに。
先祖代々の墓があり、視聴者から心霊現象があるとのことでスタッフらは向かった。
夜の23時から、撮影を開始した。お墓の独特の「ジメジメ」とした気味の悪い雰囲気を出している。僕は、おにぎりを食べてから、重い足取りでロケバスから降りた。
墓の奥地まで進むと、慰霊碑があった。慰霊碑は綺麗に掃除されており、欠けていなかった。誰かが定期的に手入れしている。
スギモトは、不気味な雰囲気を感じ取っていた。
何か人の気配がするとのこと。スタッフを除いて、誰も人影はない。
スギモトは、慰霊碑の先の道で「きゃー」と悲鳴をあげた。
僕は、スギモトの元に急いで向かう。
軍人の格好をした男が立っていたが、首から上がない。
僕とスギモトは慌ててその場から立ち去った。
翌朝に慰霊碑の前で写真を何枚か撮影した。
コガDは、撮影した写真と動画を確認した。すると、不可解なものが写っていた。
白い装束を着た女性の姿がはっきりと写っていた。その後、異様な低いうめき声が聞こえた。
「タチサレ ここから タチサレ…」と。この世のものとは思えない寒気がした。
調査した結果、処刑場があったとのこと。死刑囚の家族も囚われており、ひどい拷問を受けていた。心中をした人々もいたという。さらに、農村の方々の恨みは絶えなかった。
白い装束の女性は、拷問された苦しさを訴えていたというのだろうか…
僕は2度とSタウンには近づかないと固く決心した。