2゜
キリのいいところで切りたかったため短めです…。
R18部分をカットしたので短くなりました。
瀬田、久保の話は書いていたら半分程がR18になってしまったので…
「…っつ」
「…うん?」
一人で寝ていたつもりだったが、隣に誰かいる?
そんな気配がして寝返りを打つと、顔をしかめている瀬田がいてぼんやりと昨日の状況を思い出して来た。
「おはよう」
「おはよう…じゃないっ」
呑気に挨拶をしたら怒っている瀬田に思いっきり睨まれたが、何故だかさっぱり分からない。
「腰が痛すぎて動けないんだけど、どうしてくれるんだよ」
あぁ、そういう事か…
「ごめん。でも、昨日の瀬田が可愛すぎるのが悪い」
思い出した途端に顔がニヤけた。あんなにそそられたのは久しぶりだった。初心者相手に3回もするなんて、ほんと無茶したと思う。
何を思い出していたのか瀬田には分かったんだろう。怒った顔をして耳を痛いほど引っ張られた。
「はぁ?それ、絶対に悪いって思ってないだろ。こっちは男とセックスするのなんて初めてなんだから、ちょっとは手加減しろよ。
今日、学校行かないといけないのに…。午後からはバイトもあるんだぞ」
怒ってると腰に響くのか、たまに顔をしかめて辛そうにしている。
「でも、同意の上でしたんだから一方的に俺が責められるのはおかしくないか?」
「いつどこで同意したんだよ」
「俺が『一晩付き合え』って言ったらついて来たんだからそうなるだろ」
「……」
ちょっと強く言いすぎたか…。瀬田が明らかにしゅんと俯いてしまった。
なんとなく罪悪感が湧いてくる。
「まぁ、無茶させたのは謝る。ごめん」
「今更何言ってもしょうがないからもういい。それよりも俺のスマホとって」
「へ?」
「だーかーらー、俺のスマホとってって言ってるの。こんな状態じゃ学校行けないから友達に休むって連絡するから」
動けないの誰のせいだよ…って聞こえたような気がしたが、聞かなかったふりをしてベッドを出た。
「はい、どうぞ」
瀬田にスマホを渡し、立ったついでと冷蔵庫まで行きスポーツドリンクとミネラルウォーターのペットボトルを持ってベッドに戻る。
今度は誰かに電話してるようだった。
「今電話してた相手、他のADの子?」
あ、どっち飲む?そう言ってペットボトルを一本手渡すと、久保もキャップを開けて半分ほど一気に飲んだ。
冷たい液体が喉を通る感覚が気持ちいい。
横を見ると、瀬田はもう少しで一本飲み干しそうな勢いだった。
昨日、あれだけ喘いでいたんだから当たり前か。
「こんな状態じゃCD取りに走れないし、ずっと座ってるのもキツそうだから変わってもらった」
「まぁ、そうだな」
喉を潤せたことで少し落ち着いたのか、さっきまでのトゲトゲした雰囲気はいくらか和らいでいた。
「もう少し寝てていいよ。俺はシャワー浴びてくる」
再びベッドに沈んだ瀬田を見て、やっぱりちょっとがっつき過ぎたかな…と思いつつも、楽しかったからいいか…と鼻歌混じりでバスルームへ向かった。
本当に寝てる…。手早くシャワーを済ませ、髪を拭きながら寝室まで戻ると、ベッドで丸まって寝ている姿が目に入った。
もう少し近くで寝顔を見ようとベッドに腰掛けたら、瀬田が目を開けてこっちを見てきた。
やっぱり可愛い顔してるよなー。
位置的に自然と瀬田が上目遣いになる。無意識でこんな事されたら誰でも落ちるだろうな。
しかも、今は裸でベッドに寝ている状態。襲ってくれって言ってるようなもんだ。
「いつもああいう所で相手を引っ掛けてるの?」
「最近はそうだな。決まった相手がいるわけじゃないし、とりあえずお互い楽しめる相手ならって感じ」
随分と直球でくるなーと思いつつも、隠す事でもないので正直に話す。
「で、家へ連れ込むんだ」
一瞬、瀬田が寂しそうな顔をした気がするが、今見てもそんな気配はないからやっぱり気のせいか…。
「普段は近くのラブホに行くよ。で、セックスだけしてバイバイってなるから、朝まで一緒にいるなんてことは無いな。昨日は瀬田だったから。知らない相手じゃないし」
「そう…なんだ」
瀬田がもぞもぞっと、ブランケットを引き上げ顔を半分隠した。目から上だけが出ていて、手でちょこんと端を持っている姿に抑えが効かなくなる。
「はぁーっ…。お前、無自覚で男煽るのやめた方がいいぞ…」
大きな長いため息を吐いて、ガックリと項垂れる。
天然って本当に恐ろしいと改めて感じた。
「はぁ?、何言ってるんだよ」
ガバっと起きようとしたが、腰の痛みですぐベッドに沈んだ瀬田は怒った顔をこちらに向けてくる。
そんな顔しても可愛いだけなのに…そう思いながらも親切心で忠告しておく事にした。
「瀬田はただでさえ顔が可愛いのに、無意識の言動までもが可愛過ぎてそれが全部男を煽ってるんだよ。
他の男の前でそんな事したら、動けなくなるまで抱き潰される…ならまだいい方で、下手したら監禁されるぞ…」
「…はぁ?そんな物好き、久保さん以外いないだろ」
何言ってるのか意味わからないって顔をして見てくるが、俺が心底呆れた…という顔をしているのを見て過去にナンパされた数々を思い出したらしい。
「…マジか」
今度は瀬田がガックリと項垂れる番だった。