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乙女ゲームの世界に召喚された!?~記憶を無くしている間に推しキャラに溺愛されていました~  作者: 朝比奈 呈
♠番外編♠少女漫画の世界に転生しましたが、悪役令嬢はごめんです(ユノ目線の話です)本編の色々暴話話
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17話・王妃がこのままにしておくはずがない



「陛下はあの屑王の血を引いているよ。初めのうちはそれでも王妃の機嫌取りをしていたようだが、その裏では女の尻を追いかけ回していた。現在、ご執心なのがキャリーとかいう女だ」


「何者なの?」


「コナー伯爵の末娘で、元は王妃付きの女官だった。王妃にいつも強く詰られていたそうで、それを見咎めたのが陛下だったらしい。そこから仲が良くなっていたそうだ」


「王妃の自業自得ね。このことを王妃さまは?」


「知らないはずだ」



 陛下は都合の悪いことは、王妃に隠しているとノルベールは言った。それには納得のいかないものを感じた。あの王妃が知らないままでいる?



「王妃にも耳がいるのでしょう? 本当にバレてないのかしら?」


「さあな」



 俺達の預かり知らぬところだろう? と、ノルベールは言ったけど、もしかしたら王妃は王妃で自分の犬を飼っていそうな気がする。



「ノル。あなたの異世界召喚がもしも、王妃さまにバレていたらどうなると思う?」


「蒼天教をガチガチに信仰している女だからな。俺の役職を罷免して牢屋送りにでもしかねないな」


「王妃さまに今回の件、本当にバレてないと思う?」


「まさか──?」


「だって陛下は邪魔してないのでしょう? だったら疑わしいのは誰になる? あなたの術を邪魔するくらいの権威のある人は?」


「ごめん、ユノ。今からちょっと、研究室に戻って来る」


「いってらっしゃい」



 ノルベールは何かに気が付いたようだ。私は王妃が邪魔したのではないかと思っている。直接にではないにしろ、自分の子飼いの者を扱ったのかも知れない。王家から自分に宛がわれている耳にもバレないように。


 私の知るエリサとは、お飾りで満足しているような女ではないはずだ。夫の浮気を知らない? 自分に都合の悪いことを隠されている? そんな状況に甘んじているはずがない。


 漫画でも、現実でも彼女は強い女だ。令嬢だった頃から王妃になることを切望し、一度は王子の婚約者候補だった私に辞退しろと勧めてきた彼女が、このままでいるはずもない。

慌てて王宮の研究室に戻って行く夫の背を見送っていると、心の中がざわめいて落ち着かない気にさせられた。



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