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乙女ゲームの世界に召喚された!?~記憶を無くしている間に推しキャラに溺愛されていました~  作者: 朝比奈 呈
♠番外編♠少女漫画の世界に転生しましたが、悪役令嬢はごめんです(ユノ目線の話です)本編の色々暴話話
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5話・嘘つきにされました



「あなたのお祖母さまは、サクラメントの聖女と呼ばれている御方だけど、あなたはたかが一領主の孫娘でしかないでしょう? それなのに殿下の婚約者候補なんて、田舎領主の孫娘でしかないあなたには役不足だわ。辞退なさい」


「その通りですね。私はずっと辞退を申し上げているのですけれど、陛下が許して下さらないのです。仮にも私の身には王家の血が流れているので」



 しらっとして言うと、彼女は目を釣り上げた。



「王家を侮辱するにもほどがあるわ。あなたのお母さまは王女だったとでも言うつもり? あなたはとんでもない嘘つきね」



 性悪な女だわと、エリサ嬢は言い、手にした扇子で私を打ち付けようとした。


「止めろっ」



 そこへノルベールが入って来て、彼女の手首を掴む。


「いま、何をしようとしていた?」


「離しなさい。わたくしを誰だと思っているの?」



 彼は彼女をねめ付けた。きっと睨み返す彼女は彼の背後にいる人を見て青ざめた。ノルベールは、フィルマンを伴っていた。



「僕も何をしていたのか聞きたいな? グリモード公爵令嬢?」


「いえ。わたくしは何も……」


「きみは知らないのかい? 公爵から話は聞いてないのかな? ここにいるユノはね、僕の祖父の兄弟の孫だ。はとこに当たる」


「そっ……! 失礼致しました」



 フィルマンの説明を聞いて、青ざめるエリサ嬢。フィルマンの説明で、ようやく理解したようだ。事の重大さに今更、気が付いたように深く頭を下げてきた。でも、内心煮えくりかえっていることだろう。プライドが妙に高い人だから。



「今回は見逃すけど、2度目はないよ。ああ。このことでユノを逆恨みするのは止めて欲しいかな。もしも、そんなことをすれば公爵に責任を取ってもらうことになる」


「……」



 フィルマンに射すくめられて、エリサ嬢は何も言い返せないでいた。フィルマンは美麗な見た目とは違って結構、腹黒な方だ。怒らせたら絶対にやばい奴。

 だって微笑みながら口にしたのは、今度、何かしたら公爵もろとも潰すぞ。と、言っているようなものだ。それ脅迫だよね? 



「もう出て行って構わないよ。グリモード公爵令嬢」


「は、はい……」



 フィルマンは笑みを浮かべていたけど、それはゾッとするほど怖いものがあった。エリサ嬢は何か伝わるものがあったのだろう。その場から逃げ出すように退出して行った。



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