表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/126

51話・腹が立ちました


「そう言えば、あなたのような年頃の女性に聞いてみたいと思っていたのだけど、嫁と姑というものは相容れない仲だと言われているけど、あなたならどう思う?」


「わたしはまだ結婚していないので、そういったご質問はよく分からないです」



 突然そんなことを聞かれても困る。わたしは未婚者だ。そういった質問は、既婚者に利いてみたらどうでしょう? と、答えたら王太后陛下は、想像してみて欲しいと言ってきた。



「そう? でも、考えてみて。もしもあなたがこの先、結婚したとして、お姑さんと仲良くしたいと思う?」


「まだ結婚していないので答えようが無いですが、もしも、わたしが結婚したのなら、旦那さまのお母さまになる御方とは波風立てることなく、仲良くやって行きたいとは思います」


「理想論ね。現実はそう甘くないわよ。世代が違う者同士だから、初めは猫を被って相手のお母さまに良く思われたとしても、そのうちその皮は剥がれて、諍いが始まるわ。あなたって駄目ね。そのようなことも分からないの?」


 王太后陛下は、人に意見を求めておきながら、貶すような言い方をするので苛立つ。


「ではどうしろと?」


「簡単なことよ。姑を立てればいいのよ」


 イラッときたので、その思いをぶつけるように聞けば、さらりと答えが返ってきた。



「姑を立てる? では王太后陛下は、先の王太后陛下さまを立てて入らしたのですね?」


「あ。え、まあ……、そうよ」


 わたしに言い返されるとは思わなかったのだろう。王太后陛下は言い淀んだ。


「でも、先の王太后陛下さまは、お優しい御方だったとヴィオラ夫人からは窺っております。その為、王太后陛下に口うるさく物申すことは、されなかったのではないですか?」


 理想のお姑さまだったのでしょうねと言えば、王太后陛下は、ハッとした様子を見せた。ヴィオラ夫人からは、亡くなった先の王太后陛下と親しくしていた頃の話を良く聞かされていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ