表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームの世界に召喚された!?~記憶を無くしている間に推しキャラに溺愛されていました~  作者: 朝比奈 呈
♠番外編♠少女漫画の世界に転生しましたが、悪役令嬢はごめんです(ユノ目線の話です)本編の色々暴話話
105/126

23話・彼女がさくらだった



「サクラと言う言葉に、何か気になるものはないか?」


「サクラ……? どこかで聞いたような?」



 そう言うなり彼女は、何やら思案を始めた。



──お願い。神さま!



 彼女がさくらなら、思い出してくれますように。神仏など前世からして信じていない私は必死に祈った。お願い、この世に神さまが本当に存在するのならば、彼女がさくらなら失った記憶を取り戻してくれるようにと。

 長くも短くも感じられる時間。皆の目がミュゲに向いていた。すると──。



「春の季節に咲く花の。それは、わたしの名前……」



 私達、夫婦にとって聞き覚えのある言葉が彼女の口から紡ぎ出された。思わずノルベールと顔を見合わせた。ノルベールは確かめるように言った。



「きみの名前はサクラか?」


「はい。わたしの名前は桜花(さくら)です」



 良かった。と、思うより先に驚きの方が大きかった。記憶喪失の彼女がタイミング良く、記憶を取り戻せたのは奇跡に近い。ノルベールは泣きそうになっていた。お祖母さまは驚いた顔をしていた。



「そうか。きみがサクラか。今まできみを捜していたんだ。これで良い報告が出来る」


「ミュゲさんがサクラさんだったの? 良かったわね。ノル」



 これでフィルマンに良い報告が出来る。彼は必死にさくらの行方を追っていたのだ。これで安心するだろう。お祖母さまも「良かった」と、言いながら涙声になってきていた。



「きみはどこまで思い出した?」


「え──っと、ここではない世界で暮らしていた、しがないOLで恋愛ゲームをしていたら、そのゲーム機がおかしくなって、気が付けばこちらの世界にいました」



 さくらは記憶を取り戻したせいか、快活に話し出した。

ノルベールはお祖母さまにここでの話は内密にと言いながら、用意周到にもこの部屋に防音魔法をかけ、さくらが異世界人であると打ち明けた。


 お祖母さまはさくらが、この世界の住人ではないと知り大変驚いていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ