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乙女ゲームの世界に召喚された!?~記憶を無くしている間に推しキャラに溺愛されていました~  作者: 朝比奈 呈
♠番外編♠少女漫画の世界に転生しましたが、悪役令嬢はごめんです(ユノ目線の話です)本編の色々暴話話
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21話・私は毒されているのかもしれない



 ノルベールは、私が子供を望んででもいるとでも思っているのだろうか? とんだ勘違いだ。間違いを訂正すべく前世のことを口に出せば、彼は遠い過去を懐かしむようにして言った。



「あなたは前世ではどうだった?」


「俺は塾に通っていた。勉強漬けだったよ。俺の場合は夢なんて抱いてなかったな。夢も希望もなかった」


「そうなの?」


「親が転勤族だったからさ、同じ場所に留まれないし、誰かと仲良くなってもすぐに別れる事になるって知っていたから、過剰に期待しないようにしていた」


「そう」



 彼もやや不憫な状況にあったらしい。子供の頃の彼に同情していると、私が沈んだように見えたのか、彼はわざとらしく明るく言った。



「ああ。でも、今生では友人にも恵まれたし、可愛い嫁さんにも恵まれた。これ以上、何かを望んだら俺、罰が当たりそうだよな。あ──、腹減った。あそこの店、どう?」



 あそこの店で何か食うか? と、手を引かれる。頷くと彼は大股で歩き出した。私は小走りぎみに付いていく。



「ノル。早いよ。少し、ゆっくりお願い」


「ああ。悪い、悪い」


「もう、ノルったら」



 ノルベールは、私の指摘で歩く速度を緩めた。一つのことに夢中になると、他のことが疎かになりがちな彼。でも、嫌いにはなりきれない辺り、私は毒されているのかも知れない。ノルベール・アガリーという人に。




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