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毒2

異世界転移させられた俺は右も左も分からない森の中。


身に着けている物を確認すると、装備は初期装備として決まっているようで、初心者冒険者っぽい革鎧と鉄の剣を身に着けていた。

武器や防具は無いと思っていたのでこれはラッキーだ。


異世界の定番だとすると、きっとこの森には魔物がいるのだろう。

ヘタに動くのも危険かもしれないが、動かなくても危険なのは一緒だと思いさっそく行動することにした。


『毒耐性』に極振りした理由の一つとして、元の世界で食中毒やアナフィラキシーショックに苦しめられたということだけでなく、もし異世界で食べ物に困ったときに知らない植物や怪しい生き物の肉などを食べなければいけなくなった時に無事に生き残れることを考えて、ということがある。


鑑定スキルがあってもどこまで正確に鑑定できるかは信用できない。

元の世界でだって安全なはずの青魚を食べてアレルギーを起こしたのだから。

あれ?そもそも『毒耐性』はアレルギーにも効果的なのかな?


まあそれはいいとして、異世界には薬草があるというのがお決まりだ。

そうだとしたら毒草もあるだろうと見込んで、毒を使って魔物を殺せないかと考えた。


毒を使って戦おうと思った時に、毒のある植物に近づいたり触ったりすることを考えたら、毒耐性は絶対必要だろうということもあり、『毒耐性』に極振りした。


正直、もっとよく考えた方がよかったという気もするが、まあどうにかなるだろう。


というわけで、鑑定スキルを使って毒草や毒のある植物を探して森の中を散策する。

もちろん、食料になりそうな草花や木の実なども探す。


ついでに小石もできるだけ拾い集める。

大きすぎず、小さすぎず、手のひらサイズの握りやすい石を拾い無限収納にどんどん入れていく。


無限収納のスキルの使い方は簡単で、手で触れているものを収納しようと念じれば収納でき、取り出そうと念じれば目の前に現れる。

無限収納の中に入っているものは自然と頭の中に思い浮かぶのでとても楽だ。


そんな感じで森をぶらぶらしていたら、やはり魔物と遭遇してしまった。

鑑定すると


【ステータス】

種族:ゴブリン

レベル:3

HP:28/28

MP:0/0

スキル:棍術Lv.1


皮膚が緑色で額に小さな角が生えている。

背は俺より低く、手には腕より少し太めの木の棒を握っている。


距離は20~30メートルくらい離れていたが、俺に気付くと木の棒を振り上げて襲い掛かってきた。


俺は少しドキドキしながらも、落ち着くように自分に言い聞かせ、無限収納から石を取り出し、狙いを付けてゴブリンの顔面に投げつける。

一応これでも中学までは野球少年だったのだ。

高校になってからは練習が辛くてやめてしまったが・・・。


至近距離から俺が投げた石はゴブリンの顔面に直撃した。

普通の人間なら大怪我するところだが、ゴブリンは少し怯んだ程度であまり堪えた様子はない。

ただ、その隙をついて剣を振ってゴブリンを斬りつける。

しかし、棍棒で簡単に防がれてしまった。

バットのように何度も剣を振り回すが、せいぜいゴブリンにかすり傷をつける程度だ。

剣なんて使ったことがないし、剣術スキルもない。

今更ながら剣術スキルを取っておけばよかったかもとちょっと後悔。


一方、ゴブリンの攻撃も、棍術スキルを持ってはいるが、棍棒を振り回しているだけなのでよく見ていれば避けることはさほど難しくない。

ただし、見た目よりも力は強く、当たれば大怪我しそうなため油断はできない。


まともに戦っても勝てそうにないので、小石を投げて隙を作り、とりあえず逃げることにした。

木々の間を縫うように走りながらゴブリンから逃げる。


足は俺の方が速く、なんとか一匹目を撒いたと思ったのだが、その先でまた別のゴブリンに遭遇。


同じように小石を投げて驚かせて今度もすぐに逃げる。


そんな感じでゴブリンから逃げ続けること小一時間、俺の体力も限界に近付き焦る始めたころ、漸く念願の毒草を見つけることができた。


急いで毒草の汁を剣に雑に塗りたくった。

剣の刃でちょっと手に切り傷を負う。

本当ならその傷から毒が入ってしまうのだが、持っててよかった毒耐性。


俺を追いかけてきたゴブリンが繁みから現れたので、今回は逃げずにゴブリンと向かい合い、棍棒を避けながら軽く斬りつける。


小さな傷しか負わせることができないが、ゴブリンは数分間は棍棒を振り回していたものの、徐々に足元がふらつきだし、最終的には仰向けになって倒れた。

今回使った毒草は、鑑定では『毒草(弱毒)』となっていたが、効き目は悪くないようだ。


白目を剥いて意識は失っているものの、まだ息はあるため、俺は恐る恐る近づいてゴブリンの胸に剣を突き刺して止めを刺した。


思ったよりも殺すことへの忌避感が無くてホッとする。


すぐにゴブリンの胸から剣を抜いて距離を取り、剣を構えたまま様子を見る。

鑑定するとゴブリンのHPは0になっていたし、剣でつついても動かなくなったので大丈夫だろう。


剣を刺したゴブリンの胸から透明な小石がのぞいていた。

これは異世界の定番の魔石だろう。

小指大のその魔石をゴブリンの胸から取り出し、無限収納に入れた。



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