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「させるかあああああぁぁぁ!!」


フローラが剣を振り下ろそうとした瞬間、横からとんできた剛速球に剣は弾かれた。


「ナイスコントロールッ!元バレー部員をナメるなよっ!!」


呆気に取られるフローラの目の前に光が割って入りアーサーの右頬を思いっきり平手打ちする。

パシーンと軽快な音が響きアーサーの思考も停止した。


「この意気地無しっ!卑怯者っ!!フローラに、女の子にこんな重荷背負わせるなんて最低っ!!!そんな男を好きになるはずないでしょ!


アーサーは私の大切な人を殺そうとして、勝手に絶望して、たくさんの人を殺した上に自分は楽に死のうとして最低だよ!!」


「……まったくその通りだな…。すまない……。」


「謝ってなんて欲しくない。そんな言葉でかたづけないでっ!」


光は膝をつき自身の上着を脱いだ。血が滴るアーサーの顔色は大変悪くこのままでは失血死寸前の為、光はなれない手つきで止血を試みる。

しかし初めて間近でみた大量の血と傷のグロさで光の顔色も真っ青で今にも倒れそうだった。


「ヒカリ様、代わります。」


剣を収めたフローラが震える光の手から上着を受け取り傷口を上手く包み止血する。それが終わるとフローラは切り落とされた腕を探し氷漬けにした。


「腕は後で繋ぎましょう。」


「治療は終わったかな?」


離れていたありさはアーサーに近づき手当が終わっている事を確認するとアーサーの鳩尾に思いっきり拳をめり込ませた。


「ぐっ!!」


「これは刺されたお返しね。すっごく痛かったんだからっ!」


ありさの拳がトドメとなりアーサーは意識を手放し倒れた。

自分の剛腕を理解していなかったありさは慌てふためいたが光とフローラはその姿にクスリと笑った。


「フローラ、お願いがあるの。」


「お願い…ですか…?」


「何があってもブリュに攻撃しないで欲しい。」


「それは…。申し訳ございません。お約束できかねます。」


「だったら、アーサーとここで待ってて。」


光の瞳には強い意思があり、フローラはその決意が堅いことを悟った。


「必ず戻って来るから。マリナと一緒に戻ってくるから、信じて待ってて。」


「…………わかり…ました。必ずです!必ず戻って来てください。」


「うん。」


「戻られるまでここでいつまでもお待ちしますから!!」


「うん。」


ありさと光は手を取り合いフローラに笑顔を向けた。


「「行ってきます!!」」

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