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少しして部屋のドアがノックされたので返事をするとアーサーとフローラが入ってきた。


「ヒカリ、聖女の力に目覚めたというのは本当ですか!」


「目覚めたというか~ちょっとだけポイのが出たというか~・・・。」


「是非とも私にも見せてください。」


アーサーの圧の強めの願いに光は応えてあげたいとは思った。しかし、ヨガ文化の無い男性に見詰められてなど集中できる気がしない。

何か良い方法は無いか光が唸りながら考えているとアーサーは断る理由を探しているのかと察し表情を翳せる。


「ヒラノ様、私とマリナがシーツを持ってお隠しします。アーサーから見えなくなれば可能でしょうか。」


「あ、それならいいかも?」


「それではご準備致します。」


フローラは一度部屋から出ると白く大きなシーツを持ってきた。

フローラとマリナが目隠しをつくると、光はアーサーに一礼してシーツの向こう側に入る。


先程ストレッチはしたのでダイレクトにポーズをとる手順を踏む事にした光は両足を開いて立ち右足の爪先を90度真横に向けた。

両手を腰に当て腰の高さの確認をすると背筋を伸ばしその手を左右に大きく開く。

右膝を曲げて顔を右に向け正面を見吸えればウォーリア2、二つ目の戦士のポーズが完成した。

そしてまた、ポーズの完成と共にキラキラとした物が飛び散る。


「美しい光の粒が……。」


「なんと神々しいお姿でしょう。まるで弓兵のようです。」


「今度は感覚が研ぎ澄まされた感じがしますね。」


光はチラリとフローラのステータスをみると状態に【極命中】という文字と俊敏にプラス20されている事を確認した。先程のウォーリア1の効果もまだ切れていないので俊敏は合わせて40上がっている。


アーサーの方へ出てきた光がこの事を伝えるべきか迷っていると、アーサーが徐にコインを取り出し弾いた。するとコインは綺麗に花瓶に吸い込まれていく。アーサーそれを5回繰り返し全てのコインを花瓶に入れてしまう。


「ものは試しだったが…まさか本当にこんな事が…。ヒカリ、貴女の力は私達の身体に力を与えるもののようですね。素晴らしいです。」


光はアーサーの素晴らしいの言葉がそのまま受け取れなかった。

確かに身体能力が上がるのは凄い事ではあるが、彼が求めものはそれでは無い。きっと少なからず落胆しているだろが気をつかって褒めている部分がある事を光は感じていた。


「アーサー、無理して褒めなくていいよ。」


「ヒカリ……。」


「きっとアーサーの期待に応えるからもう少し待ってて!!」


光は薄めの胸板を叩いてニカッと笑った。

光の優しさに触れたアーサーは思わず光を抱き寄せて「ありがとう。」と呟き、顔を真っ赤にした光を解放するとバルコニーから飛び下りた。


「ちょっ!!」


光はバルコニーから身を乗り出しアーサーが消えていった地面を見下ろすと、アーサーは怪我をした様子も無く笑顔で手を振ってくる。


「あ、危ないでしょ!!」


アーサーを怒鳴りつけた光は力無くバルコニーの手すりにもたれ掛かった

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