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「私のスマホ…個人情報…。」
「ほら、光ちゃん!異世界なんだしスマホ操作なんて誰も出来ないから大丈夫だよ!」
「でも今までの思い出…。」
「それは…あっちに戻れれば解決するでしょ?」
ありさは光を必死に慰めるが中々光は復活しない。どうしたものかと悩んだありさは、ふと気になった。
「電話かけたら繋がるのかな…?」
試しに光の番号を検索しcallする。
すると圏外のアナウンスは無く呼び出し音がし始めた。
電話をかけはしたがまさか繋がるとは思っていなかったありさは少し驚く。
しかし、繋がったところで操作できる者は誰もいない。
ここまでかと思い電話を切ろうとした時、call音が途切れた。
「え?も、もしもし…?誰かいる??」
繋がっている雰囲気があるのでありさは一応話しかけてみる。
すると、返事は無いものの何だかザワザワとしているのが伝わってくる。
「もしもーし!誰か居たら返事してっ!私はありさよ。」
「あ、ありさ様?!ありさ様ですか!!私です。フローラです!!」
電話に出たのがフローラだった事にありさは酷く驚いた。
元の世界に帰される直前、ブリュの元に居たはずのフローラが何故か電話に出ているのだ。
「光ちゃん!繋がった!!繋がったよ!!!」
「ふえ?」
「電話!光ちゃんのスマホ!!あっちと繋がったの!!!」
「う…うぇええええ?!本当ですか?!」
ありさと光の会話はあちらにも聞こえておりフローラの耳に光の声が届く。
「ヒラノ様もそちらに?!お二人共…お二人共ご無事で良かった…。」
電話越しにフローラの震える声が聞こえ光もありさも泣き出しそうになるのをグッと堪えた。
ありさはスピーカーモードにして光にもよく聞こえるようにする。聞きたいことはたくさんあるが、まずは戻る糸口を見つけなくてはいけない。
「フローラ、話は後で。私達はそっちに戻れる?」
「…申し訳ございません。私では分かりません。」
「なら、連絡を取れるようにしておくべきね。光ちゃん充電器は?」
「カバンにソーラーのが入ってます!」
光はフローラに説明しながら充電を試みる。
なんとかそれは伝わり、光とありさは安堵した。




