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ブリュレの変化と事態に皆あまりついていけて無かったがアーサーがこのままだと不味い事だけは間違いない。
武器を持っているフローラとマリナはアイコンタクトをとり地面を蹴った。
フローラはブリュレから光とありさを護れる位置に動きマリナはアーサーの救出に動く。
「あらあら、それは無駄な事よ~。ここは人間の住む世界じゃないもの。傷すら付けれないわよ~。」
ブリュレの言葉は正しく、花々はマリナの存在を無視してアーサーに群がり続ける。マリナは必死に切り続けるがどうにもならなかった。
「ブリュレ、教えてよ。私は、私達は何のためにここにいるの?なんでこんな事させられてるのよっ!!」
「ありさったらそんなに怒ったら可愛い顔が台無しよ。あのね、花々は青年の心から生まれたものなの。見たらわかると思うけど主の身体を求めてるのよ。
逃がした花が好みの感情を食べながら主を探して、花が穢した世界を聖女が浄化して主を生かし、人間の世界で長く生きられない花が枯れる前に採捕者が捕獲する。
ね?ありさもひかりんも大切な存在よ~。」
「ただ……それだけの…?」
ありさは膝から崩れ落ちた。
異世界に呼ばれ不慣れながら危険を冒しながら嫉妬花を探し、捕獲してきたのはブリュレや人間の助けになるからだ。
それをブリュレは裏切った。
「皆…毒で苦しそうだった。命を落とす人だっていた…。」
「裏切ったのは人間達よ?ただ自分達にそれが返ってきただけなのだから被害者ではないわ~。」
「関係ない人達もいるよ!!」
「女神様を傷つけて利用しておいて関係ない者なんていないのよ~。まっ、ひかりんもありさも人間だものね。二人の事は大好きだけれど考えが人間寄りになるのは仕方が無い事よね~。」
そんな話をしている間に花々はアーサーの中に取り込まれアーサーは倒れた。
「殿下!!」
マリナの悲痛な叫びに皆の視線がアーサーに集中する。
「あ、終わったみたいね。長かったわ…これでやっと女神様が呼べるわ~。」
ブリュレがアーサーに歩み寄ろうとするとマリナとフローラがブリュレを攻撃対象として襲いかかる。
「こう見えてブリュレ、すっごく強いのよ~?」
手に持っていた。扇から暴風を出し二人を吹っ飛ばすと風の刃をあびせる。
マリナもフローラもブリュレに近づく事ができず、ブリュレがアーサーに近づくのを止められない。
「王子様、気分はどうかしら~?」
アーサーの髪を掴み顔をあげたブリュレは満足そうにその生気の無い顔を眺めた。




