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レイミーの事件から数週間、光とアーサーは順調に国中をまわり浄化していく。

事件を公表した事で接待を断る口実ができ、以降はそういったものに煩わされること無く日程をこなし残すは少数となっている。

隣国からも聖女の派遣依頼は多くきているが、伝道師のフローラとマリナをこうたいで派遣し人の住まない土地の浄化は順次対応していく事で納得させた。


全てが上手くいっているかのようだったがアーサーの心は暗かった。

それは彼の恋が全く上手くいっていないから他ならない。


事件後、アーサーはありさから強烈な説教(パンチ)をもらい男のプライドは砕け散っている。


「姫を守れない王子とか無意味!無価値!ただの観賞用!」


容赦の無いありさの言葉はアーサーの中でぐるぐるとまわっている。


光との関係も多少の会話は出来るものの前より距離を感じ、たまに滝に行ってありさと話に行ったりリンゴブリュレと仲良く話す姿はアーサーにはとても羨ましい。


このままでは光は異世界に帰ってしまう。

アーサーは自室で溜息をつきなが外を眺めていた。





「ブリュレ、嫉妬花(しっとか)は後どれだけあるの?」


「逃げたのは五株で捕まえたのか二株だから…後三株ね。だけどここからが問題よね~。」


「どういう事?」


「植物だから成長するのよ。庭の中ならあまり育たないのだけど外だと成長し続けて凶暴化しちゃうのよね~。」


「それ…ヤバくない?」


リンゴブリュレからサラッと言われた新事実に光の顔色は真っ青になる。

浄化してまわっている自分の遭遇率が高そうな事もあるが、捕まえる為に奔走しているありさはソレに立ち向かわなくてはならない。

察したリンゴブリュレは「ああ」ときちんと付け加える。


「ありさは武装出来るし触っちゃっても何もならないから大丈夫よ~。」


「それなら…店長は大丈夫そうだね。」


その言葉に少し安堵するが〈ありさは〉の部分に光の不安は解消されなかった。


明日からまた少し城を離れる。

もう少しで国中の全ての街を浄化し終わり光の役目はほぼ終わる。

最近はありさもこちらの世界にきている事もあり元の世界の事はあまり恋しいとは思っていない。

もちろん家族が心配だとは思ったりするが、元々一人暮らししており帰れる事は確約されているのも大きい。


アーサーの気持ちなど知らない光はふと、帰ったら何を食べようと元の世界の食べ物に思いを寄せた。

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