41
次の日、光が朝食を取っている最中にアーサーが戻ってきた事をマリナに伝えられた。
光はあまりの早さに焦ったが、マリナがアーサーから別室で作業をしているので急がなくて良いと伝言を預かっていたので、光は朝食をかけ込む事無く食べてからアーサーの元に向かった。
「おはようございます。ヒカリ。」
「おはよう。アーサーがこんなに早くに来るとは思わなかったよ。…たくさん書類を持ってきてるけど大丈夫?」
アーサーは応接室のテーブルを書類で真っ白にしながら光に挨拶をしていた。一瞬自分にも何か手伝えないかと思ったが、光はこちらの世界の文字が読めないので諦める。
「少しかさばって見えるだけですから大丈夫です。それより、ヒカリの準備が出来ているのであれば滝つぼに行きましょうか。」
「私は大丈夫だよ。」
アーサーはテーブルに並べた書類を片付けると光、フローラ、マリナと共に森に入った。
「ここに来るのは久しぶりですね…」
「アーサーもここに来た事があるの?」
「ええ。幼少の頃は度々来ていましたよ。」
アーサーから幼い頃の話を聞きながら森を進むと案外直ぐに滝つぼにつき、光は早速感謝の言葉を口にする。昨日と同じように光に包まれ真っ白な世界が広がると光は大声でブリュレを呼んだ。
するとまた光の背後からブリュレは現れ光はビクリと身体を強ばらせる。二度目でもなれない存在に光は何回か深呼吸して振り向く。
「あら、ひかりんどうしたの~?昨日きたばかりなのにブリュレの事忘れられなかったの?」
「あ、ある意味忘れられなかったけど違くて…ブリュレに会いたいって人がいるんだけど…。」
光はブリュレにアーサーの話を軽くした。ブリュレは少し難しい顔をして唸り「どうしよっかな~」と呟いた。
「私もその王子様には会ってみたいけどここから離れられないのよ~。だからちょっと滝つぼで待っててくれる~?」
光は了承し一度滝つぼに戻った。
滝つぼに戻ると、アーサーが光に駆け寄りどのような様子だったか聞いてきたので、光はブリュレから待つように言われていることを伝える。
「もしブリュレと会えた時の為にブリュレがどんな風か教えておくね!」
光は三人にブリュレの容姿についてこんこんと説明をした。




