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アーサーが部屋から出た後、光は渡された日記を開いた。

古くて少し変色しているが幸い文字はしっかり読めそうで、光は日本語で書かれたそれを丁寧に読んでいく。



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【梓の異世界日記】

3月5日

私はどうやら異世界に召喚されたみたい。

いや~びっくりしたよね。どこのラノベだ!!

でも魔王倒せって言われるかと思ったらなんと飢饉の救済とは……農家の娘たる私になんという挑戦!絶対に作物を実らせてやる!!野菜農家一条家の名にかけて!!!


3月6日

今日は私のラノベ知識が何処まで通用するか試してみた。

まずはステータス画面。「ステータスオープン」って言ってみるとちゃんとステータス出てきた!私の能力は植物を成長させるものみたい。

なんてピッタリな能力。びっくりしたわ。

ステータス画面ってやっぱりこの世界の人達には無い機能みたいだからバレないようにしなきゃ。


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「ステータスオープン。」


光が呟くと目の前に画面が浮かび上がった。



――――――――――――――――――――――――

平野 光 (22)


称号:異世界から召喚されし者

異世界から渡った事で状態異常にかからない肉体を手に入れた。


スキル:ヨガインストラクター

自然や自分と向き合う事で浄化・付与・招来する事ができる。

熟練度 20/100

体力 100

俊敏 15

防御 20

攻撃 5

診眼 10

―――――――――――――――――――――――――


「数値化されても分からないよ~でも状態異常かからないってスゴい!てかヨガインストラクターってスキルじゃなくて職業でしょ!!」


一人で叫び出した光に鬼教官フローラが圧のある笑顔で近づいた。

それに気づいた光は必死で取り繕ったがそんな事で誤魔化されてくれる程フローラはチョロくなかった。


「まだまだ私の指導不足のようで申し訳ございません。」


「いえいえ全くそんな事はありません!フローラ落ち着いて下さい。」


「私は落ち着いておりますよ。」


その後、一時間フローラの説教を受けた光はステータス画面を開いて自身の能力について考えた。ヨガとは本来自然の中でやるべきものなのでソレが関係しているのかもしれないし、全く関係していないのかもしれない。

光は自分のカバンの中からヨガウェアを取り出した。使用済みだったのを忘れていたので汗で湿っている。

ヨガをするにしてもドレスでなんて無理なのでまずはフローラにきいてヨガウェアを洗濯する事にした。


「このお洋服を洗濯されるのですか?」


「ええ。速乾性があるから日が沈みそうな今から洗濯しても明日の朝には乾くと思うの。」


「速乾性…?とりあえずお預かり致します。また、明日の朝お持ち致します。」


フローラにウェアを預けた。


次の日の朝、フローラはきちんとヨガウェアを持って光の元へきてくれた。


「このお洋服の素材は素晴らしいです。驚く程伸びて乾きも大変良く感動致しました。」


「すごいでしょう。ヨガウェアは快適素材だからね!ちなみにフローラからみてこの服どう思う?」


光はヨガウェアを広げてフローラにみせた。

フローラは顎に手を当てながらじっくりとウェアを観察する。

ドレス文化の国からしたらきっとヨガウェアなんて下着の様なものに見えるだろう。しかし、ドレスでヨガは出来ない。ヨガをする為には妥協点を見つけださなければなりない。


「そうですね…下着のようだとは思います。しかし、薄手のワンピースを上から着られるのでしたら…ヒラノ様に限り許されるものかもしれません。」


「薄手のワンピース、用意できる?」


「少々お待ち下さい。」

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