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「店長…私店長の事すごく尊敬します。こんな過酷な環境で一人で頑張っていてくれただなんて!」


光は涙を流しながらありさの手を両手でガッシリと掴んだ。自分の不遇を理解してくれるパートナーにありさも「心の友よ!」と光の手を握り返す。


「ちょぉっと!一人じゃないしブリュレがいるし!!かなりの快適空間を提供さしてると思うのに酷い言われようじゃな~い?」


ブリュレはありさに三食戸建て付き休憩は自由という中々に高待遇を用意しているので何故そこまで言われるのか腑に落ちない。

しかしそんな待遇でも目に毒なオカマと一日の大半を過ごす事は大変なマイナス要素なのだ、ありさと光が口に出来るはずもなく「ごめんごめん」と適当に流した。


「まったく…知り合いみたいだから特別に会わせてあげたのに~。」


「「神様ブリュレ様感謝してますっ!!」」


ブリュレは溜息をつきながら光にあの滝に感謝を捧げればありさに会える事を伝えると、光の役割について話し始めた。


「植え替え時の流れはこうよ。植替→逃げる→餌食べる→悪影響を及ぼす→聖女が治す→行動範囲が狭まる→採捕者(さいほしゃ)が捕まえる→溜息の庭に戻す。シンプルでしょ~?」


「なんで聖女が治すと行動範囲が狭まるの?」


「聖女の力は陽の感情が元だから負の感情を食べてる花達は近寄りたくないのよ。虫除けみたいなものね~。」


「虫除け……」


「ひかりんが頑張れば頑張った分だけありさが楽になるから頑張ってね~。」


光は戻ってからアーサーに早速各地を周りたいと伝えることにした。

しかし、力を使うという事は人前で見世物のようにヨガをするという事なので光としては恥ずかしので避けたいという心もある。


「店長~皆の視線を気にせずヨガをする方法ないですか~?」


「そんなの馬車用意してもらって中でやればいいじゃない。室内なら箱に入るか部屋を貰うかすればいいでしょ?でしょ?でもそんな恥ずかしがる事じゃないと思うけどな…」


「文化がない場所での行為は恥ずかしいんですよ!頂いた案は直ぐに実行させてもらいます!!」


「ひかりん戻るのはこっちよ~。」


ブリュレの後をついて行くと床の一角に幾何学模様が現れる。光がその上に乗る次の瞬間には元の滝に戻っていた。


「「ヒラノ様!!」」


フローラとマリナがいきなり光に駆け寄ってきたので光は驚いて尻もちをついた。


「痛たた……二人ともどうしたの?」


「どうしたもこうしたもヒラノ様目の前でいきなり消えたんですよ!訳が分からなくてフローラさんと周りを探したり滝の中を探したりしてたんです!!」


光はこういう時のお約束として戻ったら何事もないと思い込んでいたが、そんな配慮が一切なかったようで顔色を真っ青にした。

二人に謝罪し、事のあらましを簡単に説明すると信じ難い話をすんなり受け入れてくれ光は一安心する。


「本当に心配したのですよ。」


「すみません…」


「ヒラノ様は人間びっくり箱な自覚を持ってください!」


「すいません…ん?これ私のせいじゃないよね?」

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