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「許可致しかねます。」


光はいじけた。

手と膝を地に着けて「ダメって言われた…」と先程までとは打って変わってご機嫌指数が急降下だ。


「ふろ~ら~」


「そんな恨めしそうな顔をされても許可はできません。マリナも絆されかけない!」


光があまりにも悲しそうな顔をしているのでマリナがついつい少しだけだと許可しそうになるのをフローラは見逃さなかった。

ため息をつきながらフローラはマリナに何故許可を出さないのか分かるかと問いかける。するとマリナは意外にも理解はしている様で光に申し訳なさそうに答えた。


「えっとぉ…まずはここが敷地内の森と言えど安全面で宜しくない事、誰に見られるか分からない事、ヒラノ様の今の格好がヨガに適したものでは無い事が主な理由…でしょうか。」


「そうです。付け加えるとこの場は石も多くお怪我をされる可能性も高く野生動物もおり不測の事態が起きる場合もあります。」


「うぅ……ガッツリじゃなくて少しだけ!触りだけ!!」


光も許可されない理由を理解はしたが元の世界にいた時から自然の中でヨガをしたいと願ってやっときたチャンスを逃したくはない。何とかワンポーズだけで良いから許可を貰いたい。

フローラは光の必死な様子に考えこむ素振りをみせた後、大きくため息をつき自身の甘さに落胆した。


「ほんの少しだけです。立ったままで両足をつけたままのポーズを一つのみ。これ以上は許可致しません!」


「フローラ!愛してるっ!!」


光はフローラに抱きつくと条件に合うポーズは何か考えに考えた。どうするか決めるとフローラから離れ滝つぼに近づき滝に向かって背筋をのばし肩幅に足を広げる。大きく息を吸い込むと手を胸の前で合わせ合掌すると目を閉じた。


「ヨガが出来ること、私を守ってくれる人達全てのものに感謝を…ナマステ…。」


その瞬間、今までよりも強く光がキラキラと光に包まれた。その眩しさにフローラとマリナは手で目を庇いつぶる。

光が目を開けると、先程までの滝つぼでは無く真っ白な世界が広がっていた。


「何これ?!」


驚き叫ぶ光は辺りを見渡しフローラとマリナを探す。

しかし二人の姿はない。


「フローラ!マリナ!どこぉぉぉぉ。」


大パニックの光だったがいきなり後ろから抱きしめられた。


「は~あい!ひかりん!!」

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