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マリナはとても張り切っていた。
光の世話はいつもフローラのサポートで一人で任される事は少なく、護衛としても常に警戒はしているが光の行動範囲が狭すぎて特にやる事も無い。
光に不満がある訳では無いがやる事の少ない現状に多少の不満があった。
そこに出た直接光の役に立てる機会をマリナは見逃す事はしなかった。
さっそく体術の稽古着に着替えたマリナとフローラは光の指導の元、太陽礼拝をゆっくり流れ出教えもらう。
アーサーは溜まっているであろ執務を片付けに戻ったので部屋には三人しかいない。
「マリナ、もっと背中を押し真っ直ぐのばして。フローラは肩に力入れすぎ!」
光のスパルタ指導に何とかついていく二人だが一度流しただけで身体が火照り汗が吹き出す。マリナは何でもない顔をしている光を尊敬した。
「なんか…私一人の時よりキラキラの範囲が広い気がする……」
「本当ですか?!」
「人数を増やせば範囲が拡大するなんてすごいですね!早くマスターしなきゃ…」
三時間程かけて動作の流れを覚えたフローラとマリナは残りは自主練習する事にし今日のところは練習を終えた。
「お疲れ様!明日は朝からやろっか!」
「ヒラノ様のご要望とあれば。」
練習が終わり着替える為に光から離れたマリナは自分の身体を触り怪我などが無いかチェックする。
すると、胸元に見慣れない丸いアザが出来ており、自身の行動を振り返り原因を探る。
「ん~身に覚えがない……」
「どうかしましたか?」
「フローラさん。ここにアザができてるんですけど身に覚えがなくて…」
「アザ?」
フローラはマリナが指さしている場所に注目した後、自身の同じ箇所を見る。
「……同じですね…」
「え?フローラさんもですか?」
「この事はヒラノ様にも御報告しましょう」
フローラはマリナと共にアザを見せながら光に報告した。
報告を受けた光も当然心当たりはないが取り敢えず二人のステータスを確認してみる事にする。すると二人のステータスに称号【伝道師候補】と表示されていた。
説明にはヨガインストラクターのサポートと書かれており、太陽のアザが完成すれば伝道師となると書かれている。
流石にこれを二人に伝える事はできず光はそっと二人のステータスから目を逸らした。




