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説明する事三十分、何とか秘伝疑惑の払拭に成功した光はやっとアーサーに深呼吸のやり方を教えるところまできた。

変化を確認しなくてはならないので悪いと思いながらもアーサーのステータスを確認する。


―――――――――――――

アーサー・エリーゼ・ イペリット(22)


スキル①威圧:相手を怯ませる事ができる。

スキル②毒耐性(小):弱い毒なら中毒症状を抑える事が出来る。

スキル③ショートスリーパー:短くても睡眠をとればアクティブに活動できる。

熟練度72/100

体力 880

俊敏 600

防御 550

攻撃 900

状態 毒(中)

―――――――――――


「え。」


「ん?どうかしましたか?」


光は声に出しそうになり慌てて口を抑えた。アーサーのステータスはツッコミどころ満載でもしステータスの存在を認識してもらえたならば問い質したいくらいだった。


明らかに女性名のセカンドネームに実践経験を匂わすスキルや能力、状態が毒(中)という事はフローラやマリナより体調が悪いという事だ。


「アーサー……身体相当しんどいでしょ。」


「身体…ですか?そうですね…あまり訓練は受けたくないと思う程度の不調です。」


「いやいやいや。アーサーはフローラ達より重症だよ。そんな程度で済むはずないよ!」


光の言葉にフローラとマリナがアーサーに近寄り熱や脈を測ろうとするが、アーサーはそれを手で制し困った顔をした。


「ヒカリのその力は危険ですね。私は幼い頃から毒に慣らされていますので症状はそんなに重くないのですよ。」


確かにアーサーのスキル欄には毒耐性があるが効果は多少症状を和らげるものでしかない。なんでもない顔をしているアーサーは痛々しく、光は早く楽にしてあげたいと思い早速行動に移した。







「凄く身体が楽になりました。」


深呼吸を数分間したアーサーは顔色が少し赤みを帯びたようではあったがステータスを確認してみると毒は完全に消えてはおらず毒(小)としっかり表示されていた。


「嘘…何で消えないんだろう…。」


「ヒラノ様、殿下の体調はどの様になっておいででしょうか。」


「毒は薄まっただけで完全には抜けてません。深呼吸は弱い毒状態なら治す事ができるけど強い毒状態は緩和しかしない…?」


「なるほど…しかし緩和されるだけでも素晴らしい事です。継続すれば完治する可能性もあります。まずは城の者に広めても良いでしょうか。」


確かに多少なりとも効果があるのだから即座に広めるべきだ。しかし、マリナがウォーリアーズ2の真似をした時何も起こらなかったように正しいやり方をしなくては効果を得ることは難しい可能性がある。

また、圧倒的に情報が足りてないので収集も必要そうだ。


「部署単位で私が確認しながら教えるなら大丈夫かな。人数の目安は一回30人くらいで最初と最後に状態を見させてもらって、大体30分時間があれば良いかな」


「分かりました。一度調整してみましょう。」


アーサーは光に礼を言うと直ぐに部屋を出て行った。


翌日、アーサーの本気を知った光は顔を真っ青にした。


「……オーバーワーク…。なんてブラック企業…。」

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