第九十四話 妥当な死
「今更ヴァンパイアなんて怖くないぞ!」
そう言って僕は超速で近寄り、ヴァンパイア攻撃する。咄嗟にガード体制に入られたが上から叩き込む。
「魑魅魍魎!」
しかし、ヴァンパイアは死ななかった。効いていないというわけでもなさそうだが、倒れるほどダメージは受けていないのだろう。
先程の戦いのダメージが残っていて、万全ではない為僕の攻撃の威力が落ちていたからというのもあるかもしれないが………
それにしてもヴァンパイア如きを倒せないのは少し変だ。
「驚いたかい?僕は生物の生命力を無理やり引き出して一時的な強化を施すことが出来る。だからこのヴァンパイアの生命力を限界まで引き出したのさぁ〜。クウガ君と違ってコイツは更に短期間しかパワーアップ出来ず、終わったら間違いなく死ぬというところかなぁ〜」
「本当にいつもいつもムカつかせるなお前は……」
「悔しかったら倒してみればぁ〜?短期間とはいえ、全員を倒すのは訳ないくらいの時間だよぉ〜。ちなみに……そいつのステータスは大半が10万を超えてる、オルトメキナでも倒すのは難しいと思うよぉ〜?」
「ふん、10万程度なら訳ないな。さっさと楽にしてやるよ!」
と言いつつも、流石にステータス10万超えはやばい。僕のステータスで対抗できるのは速度と筋力くらいだ。縮地と投擲を組み合わせて上手く戦うしかないかな?
「グガァァァ!」
よく見るとヴァンパイアが涙を流し始めた。
無理やり戦わされて辛いのだろうか?
それなら早く楽にしてやりたいな……
僕は、投石を10個同時に投げる。
そして、縮地で一瞬で近寄るが、その直後に後ろに引き、もう一度縮地で引く。
これを数回繰り返すと、投石にも縮地にも対応出来なくなったヴァンパイアが遂に隙を見せた。
ヤるなら今しかない!
「天衣無縫!」
ヴァンパイアはまともに食らった。
今度はこちらに注意を向けられず、更にその一瞬で投石をいくつか食らって動けなくなった。
「ごめんな、虚無地獄!」
トドメをさして死んだようだ。
僕達は己の命を賭けて戦争をしている。
それは相手に殺されても良いと覚悟しているとも言える。
しかし、このヴァンパイアは命を賭けたのだろうか?分からないが、人の命も魔物の命も軽々しく扱うテクスト……
「じゃあ処刑を始めようか?」
「ヒィィィィィィィィィィィィィ!なんでだよぉ〜!なんで倒せるんだよぉ〜!」
再び泣きじゃくる四天王に恐怖を与えてやる。
絶望と共に……
僕はその後丸一日テクストを拷問した後、楽に殺してやった。
最後の言葉は『次は操られる人生を送りたい……』だった。




