第七十四話 黒いチューリップ
ワクチン2回目受けてきました……
針見ると気持ち悪くなってくる………
町長さんは、町のことについて教えてくれた後、一つ奇妙な話をしてくれた。
「実は最近、町の若い者がな、この町でバラバラになった状態で見つかるんよ。あまりにも綺麗な肉の断面だったから一体何を凶器に使ったのやら……そもそも犯人は何故罪の無い者を……」
「騎士団には言わなかったのですか?」
「言ったさ。しかしね、調査しても何も分からなかったそうで」
「……そうですか。せめて殺された人が天国で幸せである様に………」
「そうじゃのう……」
なんだか暗く、しんみりとした気分になった。
7時……自由時間になった。
「ガルド、宿の近くにあったゲーセン行こうぜ」
「いや、旅行先でゲームとかやりたくないすよ」
「でしたら火山の噴火口を見に行くというのはどうでしょう?」
「そうしましょうよ」
僕達は噴火口の近くに行った。
噴火口付近では噴煙が凄く、前が見えにくくなっていた。
「暑いっすねー」
「まあ、火山の近くだからな……」
「……ところで村長さんが言ってた話本当だと思います?」
「……」
「嘘を言っている様には見えなかったけど……」
「騎士団が凶器すら分からないなんて事があるのでしょうか?」
騎士団はとても優秀で、数々の難事件を解決へと導いている。様々な技術を駆使していて、あらゆる場合の殺害方法を熟知している。だから、肉の断面さえ見れば犯人とは言わずともたしかに凶器くらい分かりそうだが……
「そういう事もあるだろうよ」
「そうですね……騎士団も万能では無いですものね」
「さてと……そろそろ暑くなってきたし、帰ろっか」
「ええ、たっぷり見ましたしね」
「あれ?クリフは?」
「僕ならここですよ」
数メートル先によく目を凝らすとクリフがいた。
この噴煙の中だと前がよく見えないな……
「じゃあガルドはどこ行った?」
しかし、ガルドについてエルナもクリフも何も知らないという。
「気が付いたら居なくなってましたよね」
「全く……おーい、ガルド!もう帰るぞー」
しかし、誰もこれには返事をしない。
「一度来た道を引き返してみますか」
そうして僕達は道を辿っていく。しばらく歩くと何か黒いものが見えた。
よく見るとガルドの髪の毛のようだった。
「なんだ、ガルドこんな所にいたのかよ。心配した……!」
そこにはガルドがいた。
ただし、いつもの様に陽気で笑った顔の彼ではなく、バラバラになった状態のガルドが。




