第七十三話(2) ミトドリア
「それじゃあ皆んな、分かっているとは思うが明日は野外総合活動だ。今日は早く寝るんだぞー。では解散!」
僕達はさっさと家に帰った。
明日は遅刻してはたまらない。家に帰ったらすぐにベットに潜った。
「ケインさん!ケインさん!」
扉の向こうからガルドの声が聞こえる。
「なんだよ、まだ登校まで2時間もあるじゃないか?」
時計を見るとまだ6時前。時間的には余裕のはずだが……
「先生昨日、『明日は6時集合だからなぁ』って言ってたじゃないですか!」
そうだった!
急いでベットから飛び起きた
だが、まだあと15分ある。縮地を使えば全然間に合うだろう。
速攻で着替えた僕は荷物を持って外に出る。
「ガルド!つか…」
つかまって!と言う前に既に手を取っていた。
「お、おう……じゃあ行くぞ!」
そう言って僕はガルドと縮地をした!
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………………
……
僕達は大きな馬車にぎゅうぎゅうづめになりながら語り合う。
「いや〜今朝は危なかったですね」
「縮地が無かったらと思うとヒヤヒヤするよ」
「……ケインさん?一応縮地はあまり人前で使わない方が……」
「ケインさんって、縮地使えるんですね!?」
とクリフが驚いていた。
「あっ!……内緒ね?」
「はぁ……ケインさん、気をつけてください」
僕達は今、野外総合活動(略してYSK)の場所、温泉街ミトドリアに向かっている。
ミトドリアは温泉がとても良いと聞くが、あまり風呂に興味がないので、そこまで心躍らない。
しかし、エレナは違った様だ。
「私温泉などは初めてでして……とても楽しみです!」
それにクリフが賛同する。
「ぼ、僕もミトドリアには行ったこと無かったので……温泉楽しみ……」
思ったより皆んな温泉は好きな様だ。
その後、馬車の中でお菓子交換等をして目的地についた。
「ここが……ミトドリアか」
「なんだか卵みたいな匂いがしますね」
「温泉街ってこんな感じするよな」
大きめの街に入ると僕達は早速宿に向かう。
宿は随分と大きく豪華だった。
「7時までは観光や飯の予定が決まっているが……その後は自由だ。何をしても良いがあまりハメ外しすぎんなよ!お前らは学園生としてここに来てるんだからな」
先生の説明を聞いた後、町の特色やら歴史やらを町長から教えてもらった。
たまにはこういうのも良いな……
学園編完結が迫ってきてます。
さっさとこの物語も終わらせたいので、無駄な話は省いて書きます。




