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第五十一話 部活動



入学してから1週間……今日は部活動紹介がある。

上級生が教室に来て自分達の部活が何をやっていて、どんな成果が出ているのか等を資料と共に説明していく。


ぶっちゃけ、資料やら説明の練習やらを頑張ってきた先輩方には申し訳ないのだが、あまり興味がない。


野球部、サッカー部、バスケ部、テニス部、水泳部、肉体改造部、魔法研究部、錬成部、漫画部、美術部、吹奏楽部、

適当に聞き流していたのだが、1つだけ気になる部があった。


「え〜我々スキル研究部は色々なスキルの習得方法、効果、まだ見つかっていない新種のスキル等の研究を行っています。その中で、自分の適性ランクよりも上のランクのスキルを得る方法を見つけました」


この言葉に生徒だけで無く、教師も驚いていた。


「な、なんなんですか!?それは!?世紀の大発見ですよ!なぜ今まで報告しなかったのです!」


そりゃそうだ。そんな方法が見つかったら世界中のスキル事情が一変する。

本当に見つけたのだろうか……?


「ええっと、報告しなかったのは、するほどの研究内容では無かったからです」


「そんなわけないでしょう!一体どれだけの研究結果だと……」


「僕達は、スキル委員会が発表する通り、スキルとはある種のウイルスだという仮定で研究を進めました。スキル適性値とは、つまり、免疫力の低さを示していたのです。スキルの免疫力が高いほど、ウイルスにかかりにくくなる……と。それなら、免疫力を下げればスキルの獲得は容易になります。免疫力がどのような時に下がるのか、についてですが、あれこれ試してみた結果風邪の時にスキル習得を試みると本来なら取ることができないスキルまで取れました」


「す、素晴らしい発見じゃないですか!たしかに風邪の時にスキルを習得しようとするのは危ないでしょうが、充分にリスクに見合いますよ!」


ここまで聞いて先生は嬉しそうだった。


「それでは、なぜ僕達がこの成果を発揮しなかったかについてですが……これ、元々適性値が高い人はほとんど免疫力が下がりません。検証の結果、スキル適性値Fの方がCランクスキルを手に入れるのが精一杯で、適性値がE以上の人には効果がありませんでした」


それを聞くと、一気に先生は残念そうな顔をした。


「そうですね……たしかに発表するほどの事では無さそうです……」


Fランク以下の適性値を持つ奴にしか意味がないのか……

この世界の人間は、その実に7割が適性値Eに属する。Fランク以下など、全体の3%程しかいない。

しかも、そのFランクですら、風邪の時のみEランクと同程度になるだけ。

たしかに、面白い発見ではあるが、あまり実用性はないだろう……

だが、ここに1人いる。

適性値Fよりも低い女、

適性値Gのケインが!

ウイルスに例えているだけで、本当にウイルスというわけではないです。

ただ、免疫力が下がった時ほどスキルが習得しやすくなるのは事実です。

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