第四十八話 また会う日まで
たった1週間ぶりだが、何故だか街が懐かしく思えてくる。
「やぁ、ケイン……試験はどうだった?」
街の前で待っていたパウロが開口一番に聞いてきた。
「もちろん合格してきたよ。首席だった」
「お、おお…そりゃまたすごいなぁ。僕も行きたかったけど、今年で17だもんな。せめて去年とかだったら1年遅れだから行ったかもだけど……」
「ならエネマについてけばよかったじゃん」
「………勉強してなかったし、去年の今頃はちょっと遠出する依頼受けてたから……」
「じゃあ仕方ない。諦めな」
とはいえこのままパウロがここで冒険者を続けたら王都で教師になろうとしているエネマとは疎遠になるだろう……
なんとかしてやりたい気もするが……
「はぁっ………そうだよなぁ。流石に来年入るのは無理だし……」
一応エルディナ学園には15歳以上なら誰でも受験資格はある。
しかし、ほとんどが15歳から16歳。稀に17歳の人もいるが、18は流石に聞かない。
その頃までに入れない人はもう諦めているのだ。
「じゃあ教師になれば良いんじゃないの?エルディナ学園の。エネマは将来先生になりたいって言ってたし。同僚になっちゃえば?」
「本当!……いやいや、でもよく考えたら学園に入ってないんだから無理だよ」
「ん?でもそういえばエルディナ学園の教師になるのって、別に学園を卒業してなくても良いんだったよな?」
「え、本当!」
「うん。……確か、Bランク以上の冒険者で教員免許を持っていて、その上で教員採用試験を受けて合格すれば良いってさ。エルディナ学園の先生の大半がエルディナ学園出身なのは単に母校だからってだけらしいよ」
「僕はもうBランクだから……!教員免許取れば成れるのか!早速取ってくる!」
そういうと、一目散にギルドに走っていった。
……だから教員採用試験も受けなきゃいけないってのに……
……………………………………
…………………
………
その夜はサガとパウロと3人で飲みあかした。
といっても酒は飲めないからオレンジジュースを。
飲んで騒いで、店主から「うるさい!」って怒られた後、僕達はガンジスの墓に向かった。
「………ガンジス。僕学園に行ってくるよ……」
「凄えよな、ケインのやつ。首席合格だったんだぜ」
「僕も王都に行って教員免許の取得の勉強に行くよ」
それを聞くと、サガが悲しそうに言った。
「そっか………じゃあここに残るのは僕とガンジスだけか………」
俯きながら長めの前髪で顔を隠しサガは語り始めた。
「…………ガンジス覚えてるか?僕とガンジスが初めて会った時……お前妹攫われて荒れてたよな。でも曲がったことが嫌いで……真面目に生きて………ケイン達と会って明るくなって………そんで………」
あたりは暗くなってサガの顔は見えない。
でも泣いているように見えた。
「また、2人になっちゃったな。でもきっと……みんな戻ってくるから………いつかまたここで再会しようぜ」
花を添えて手を合わせる。
帰ろうとした時
「ああ、約束だぞ?」
……と聞こえた気がしたのは風のせいだろう………
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