第四十話 クウガとの再戦
剣の指導場のような場所に来た僕達は愛剣を片手に構えた。
「じゃあ、先に気絶した方、もしくは敗北宣言をした方の負けで良いね?」
「はい、その条件で良いです」
「よし、なら今回は手加減しないよ」
そう言うと彼は前回よりもさらに速く斬りかかってきた。
あれでまだ全力じゃなかったのかよ……
だが、僕も成長している。前回よりも速かったが、むしろ楽に対応できた。
「フッ、やるね、僕と剣を打ち合えるのはうちの騎士団じゃ団長だけなんだけどね」
「そりゃ伊達にAランク冒険者になった訳じゃないんでね」
余波だけで近くの人間は吹き飛ばされそうな程の威力の攻撃が、お互い絶妙なタイミングでぶつかり合い、完全に相殺し合っていた。
だが、ケインは威力、クウガは手数で勝負をしているようなもの。
ダメージは入っているものの、決め手に欠けるような状態だ。
しかし、クウガは、このままでは負けるかもしれない、と思ったようだ。
「悪いけど、一気に決めさせてもらうよ」
そう言うと、いきなりクウガの速度が倍近くまで上がった。
「なっ!」
流石にいきなり倍の速度になられてはケインも対応しきれなかった。
3発に1発はもろに喰らってしまう。
「くっ……」
よく見ろ。これは想定していたはずだ。
前回もクウガさんは速度が爆上がりした。
ここで対処するには……
ケインは剣を振るのを止め、防御姿勢に移った。
剣で防御しても3発に1発食うなら初めからガードしていた方がまだダメージは少ない!
クウガもまさか防戦一方に回られるとは思ってなかった。
………失敗だったな。前回スキルの事を話してしまったのは……
だが、もうこれに賭けるしかない。
クウガは残る体力を全て注ぎ込み、速度だけでなく、一撃の重みにも力を入れた。
……頼む……倒れてくれ。
クウガはもう100発以上ケインに剣撃を叩き込んでいる。
もういつ倒れてもおかしくない。
そして、ついに101発目でケインは膝をついてしまった。
「よし、僕の勝ちだ!」
クウガは勝ちを確信した。
「いいえ、あなたの負けです。クウガさん」
その瞬間、クウガの速度がガクッと落ちた。
スキルの制限時間が切れたのだ。
その隙をケインが見逃はずがなく、ケインがカウンターを叩き込み、クウガは遥か後方に飛ばされた。
しかし、かろうじて意識は失わなかったようだ。
ケインは近づき剣を向ける。
「………まだやりますか?」
「分かったよ、降参だ」
敗北宣言と同時にクウガは倒れ込んでしまった。
名前 ケイン
Lv47
体力 6015/10601(276)
魔力 60858(236)
筋力 73235(237)
速度 11234(235)
肉体硬度 10544(219)
魔力強度 60874(252)
幸運値 25
スキル
ステータスボード
スキル重複
投擲×9999
片手剣の基本×5000
身体強化×9999
防御の初心×276
防御の基本×5
魔法の初心×503
魔法の基本×5012
回復の基本×21
大剣の基本×100
短剣の基本×100
両手槍の基本×100
称号
ゴブリンキラー
四天王を打ちし者
『戦乙女』
ヴァンパイア狩りの猛者
人と剣の練習をして受けた、与えたダメージ等は、敵から受けたダメージではないのでスキルの獲得には至りません。
ついでに言うと、クウガのステータスは平均8000くらいで、スキルによるステータスを3倍にする効果は、2倍や、1.5倍とかに調節する代わりに、持続時間を延ばしたりもできます。
ケインのステータスで魔法の基本が異常に多いのはテクストと戦った際にミニレッサーヴァンパイアを盾に込めた魔力で4000匹以上倒したからです。




