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第二十六話 再来のアークデーモン





そんなわけで僕たちは例の墓地にやってきた。

この墓地の正式名称は、誰も知らない。

みんな「あそこの墓地」とか、「墓地」としか呼ばない。

入り口で初めに決めた配置になって、墓地を探索していく。


「……出ないですねアークデーモン」


「流石にそんなポンポン出られたら困る相手だけどな」


「そうですね。すみません。ケインさんはどこでアークデーモンと戦ったのですか?」


「墓地の中心部……つまりここです」


「………」


「………」


「………」


「………」


みんな黙ってしまった。


「じゃ、じゃあここで空気中の魔力量を測定しましょうか」


「ああ、そうだな」


サガさんナイス。

空気中の魔力量に異変があったら、アークデーモンは自然に生まれた事になる。

測定する事10分。


「若干多い様ですが、アークデーモンが生まれる程では無いですね」


となると、やはり人為的に作られたか、連れてこられたかだな。


「一応この辺りの墓地の様子と、デーモンの強さも見ておこうか」


そうして探索する事4時間


…………………………………………

…………………………

……………


「なぁ、異変なんて無くないか?一応墓地の最奥まで来てみたが、特にアークデーモンらしきものは……」


「そうですね。エネマさんは何かサーチしましたか?」


「出来てない」


「そうですか……これ以上調べる場所もないですし、今日はここまでにしましょうか」


そう言って皆んな帰還を開始した。


帰る途中に2体のデーモンと遭遇した。


サガが矢で、パウルが魔法で、僕が投石で攻撃した。

それだけで片方のデーモンが消滅した。

よし!残り1体。

ガンジスが大剣を振るって終わり……と思ったら

デーモンが光りだした。


「おいおいなんだ!?」

次の瞬間デーモンはその場には無く

前回対峙した、アークデーモンがいた。


「出ましたね!アークデーモン」


「おい、あいつ今進化したよな」


「そんなはずはない。……と思うけど」


そうだ!魔物が進化するとしたら、レベルが上がった時だけだ。

まだ戦ってもいないのにレベルが上がるなんて事あるわけがない。


「じゃあなんなんだあいつは?」


「……とりあえず倒した方が良さそうだ」


「了解!」


僕は非常用に持っている聖水をかけたナイフを投げた。


「ガァァァァァ!!!!」


デーモンに大きくダメージがあったようで、非常に苦しんでいる。

だが、普通のデーモンならこれで死んでいるだろう。

あの程度のダメージということは……


「アークデーモンのようだな、やはり」


その言葉を聞いて、サガとエネマが攻撃に移った。


だが、アークデーモンにはほとんど攻撃が通用しなかったようだ。


「グッ!」


「だめか……」


だが、ケインとガンジスが前に出た


「「任せろ」」


「剛腕の一閃!」


「筋力30000!」


2人の連携攻撃によってアークデーモンは動かなくなった。

あとは全員で総攻撃だ。


「ふぅ……なんとかなったな」








アークデーモンを倒した僕らはそこで空気中の魔力量を測定する事にした。

しかし……


「うん。やっぱりちょっと多いだけで普通の範囲内だ」


「でも実際アークデーモンが出たしな」


「しかもただ出た訳じゃない。その場で進化したんだぞ」


「とりあえず帰ってギルドに報告だな」


警戒を怠らずギルドに戻った僕たちは、ギルド長に事の顛末を伝えた。


「そうか……たしかにおかしい。なぜいきなり進化したのだろうか」


「分かりません。魔力量にも環境にも異常が見られませんでした」


「……もう1度調査隊を雇うとするか」


「はい。次回は専門家も呼ぶべきですね」


「ああ、教会の神父にも依頼をしよう」


実は教会の神父は、回復魔法の凄腕で、大抵の怪我なら治せてしまうB級魔法の『ハイヒール』が使える。

だから、こうしたデーモンやゴーストの絡んだ不可解な事件の際によく呼ばれる。


しかし、一体なぜあんな進化をしたのだろう……


いや、考えるのはやめよう。

ここからは僕の仕事じゃないしな。

依頼の報酬を受け取った僕らは、ギルド前で解散をした。


「じゃあまた機会が有ったらお願いします。

次出される墓地の依頼には参加しませんが……」


「私も無理。あんなのもう2度と戦いたくない」


「俺も出来れば嫌だな」


皆んなアークデーモンはもう懲り懲りのようだ。









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― 新着の感想 ―
[気になる点] 何故、筋力30,000に驚かれないのか……え?Cランクで30,000って普通??
[一言] 筋力30000て、、、。
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