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番外編(地球) 厨二臭い……


「強いな……お前。なんでそんな奴に従ってるんだ?」


ケインは大男に問いかける。……が、大男は返答に困っている様だった。……否、返答するかどうかで困っていたのだ。


「……?」


「馬鹿め。この男は既に脳みそまで俺が改造済みだ。俺の許可が無ければ問いかけに返答する事もできん。素晴らしい技術だろう?」


「へぇー……クソみたいな技術だな。小学生の自由研究でももうちょいマシなの作れるぜ」


「この素晴らしい技術を理解出来んとは、やはり力はあれど考える方は苦手な様だな。まぁ良いや。本当は生け捕りにして君も傀儡にしようと思っていたんだが……悪いね、こうなった以上は殺すしかなくなったよ」


「誰が誰を殺すって?」


「俺が、君を。心配するな、きちんとその身体は有効活用してやるさ。そういう訳でコイツと地獄までデートしてもらおう」


随分臭い台詞だが……ここは敢えて乗ってやる事にしよう。


「安いナンパだな。そんなに僕に魅力は無いかよ厨二技術者?」


「魅力的だとも!だから殺すのさ!やれ」


眼鏡の男が命令を出すと、途端に大男は動き出す。


(こいつの怖さは純粋な身体能力だ。ステータスだけなら僕より上かもしれない……だが!)


ケインは縮地で大男の後ろに飛んで蹴りを喰らわせた。しかし、大して効いてはいない。

不意をつけば少しでもダメージが通るかもと思ったのだが、それは少し想定外。


「チッ!仕方が無い『狂化』20%!!!」


ケインは『狂化』を使う事で大幅にパワーアップした。今までこのスキルを使って倒せなかった相手はいない。

……しかし、今回の相手は違った。

狂化ケインによる攻撃すら、一切通用しなかったのだ。


「……は?」


「ウガァァァ!!!!!」


反撃を喰らったケインはかなりの大ダメージを受ける。内臓の損傷と幾つか骨が折れているというのはケイン自身も感覚で分かった。


(不味い……、流石に不味い!このダメージ量じゃ回復までかなり時間がかかってしまう。それまでこの男相手になんとか出来るとも思えない……かといって縮地で逃げ切るにしてもそんな長距離の縮地はラグが大き過ぎてやられるかもしれない……)


ケインは一か八か、賭けに出てみる事にした。


「バーストファイヤーアロー!!!」


ケインが現状使える魔術で最大火力はファイヤーレイだ。単体攻撃力だけで言えば火属性で最強クラスである。しかし、それより更に難易度の高い、同程度の火力を持ち、範囲攻撃の魔術がある。それがバーストファイヤーアローである。

今まで2回に1回程度しか成功しておらず、本番で使うには些か賭けであったが、なんとか発動してくれた。

空から幾つもの炎の矢が降り注ぎ、大男を襲う。

だが、残念ながらこの魔術で大男は倒せないだろう。

ケインの目的は大男ではなく……


「なっ!?クソッが!おい俺を守れグズがぁ!」


そう、眼鏡男の方であった。こいつはおそらく自力でバーストファイヤーアローに耐える手段を持っていない。そうなるとこの大男に自分を守らせるだろう。

ケインはその隙に……


「じゃあな、今回は退いてやるが……覚悟しておけよ。次僕がお前達の前に現れた時がお前達の終わりだ。『縮地』!」


「ふん、負け犬の遠吠えが。お前こそ次会う時は覚悟しておけよ」


ケインはこうして逃げ切ったのだった。



………………………………

………………

……




「ハァッハァッ………疲れたぁ」


「ケイン!どうしたんだよこんなボロボロになって!」


「思った以上に敵が強かった。仕方ないから尻尾巻いて逃げてきたよ。ありゃあキュウの魂エネルギーだけじゃなくて何か他にもドーピングしてるな」


「ケ……ケインが負けた……?嘘だろそんな」


「負ける事もあるよそりゃ。実際僕の国でも僕より強い騎士団長と魔王がいた訳だし。未だにあの2オルトとガルドには1人じゃ勝てる気がしないよ。にしてもあんな所に僕より強い奴がまだいたとは驚きだけど」


「どうしよう……ケインが勝てないなら他に手が……」


「まぁ、多分あの強さには何か他に訳があると思うよ。だからそれを探れば何とかなるかもしれない」

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