番外編(地球) ケインと魔法少女達 ⓳
「喰らえ!『スピリットカノン』!」
ドン・ステラが魂のエネルギーを高エネルギー波にして撃ってきた。
負けじとケインも相殺するべく、地球に来て初めて覚えた魔術を使う。
「クッ!『エアバレット』!」
しかし、『エアバレット』は『スピリットカノン』にぶつかって押し負けた。
そのままのスピードで『スピリットカノン』はケインにぶつかり、大ダメージを負う事となったのだ。
「ハァッ……ハァッ……」
「ムフフフ、まだまだ行きますよ!」
ケインを倒すべくドン・ステラは更に魂エネルギーを掻き集めて、空中に生み出す。
無数の高エネルギー体がケインに向いており、今にも放たれようとしていた。
「ムフフフ、避けたら後ろの2人に当たりますよう……分かりますねよね?」
「チッ、面倒な事を……」
「『スピリットカノン・カルテット』!」
反撃もせずに幾つもの『スピリットカノン』にその体を貫かれたケインは体中に穴が空き、立つ事もできずに遂には倒れてしまった。
そして、そのまま目を閉じている……
「キャアアァァァァァァ!!!!!」
「ケイン!ケインしっかりして!」
鈴菜が声をかけるが、動き出す様子はまるで無い。
「ムフフフ……フハハハハ!!!やりましたよ!最も面倒だと思っていた敵が呆気なくやられてくれました!」
ドン・ステラは余程嬉しいのか大はしゃぎしている。
スキップしながらケインに歩み寄り、耳元で囁く。
「ムフフフ、あの星で最強とはいっても所詮この程度ですか。拍子抜けです」
「な、何よ……散々人質とって勝ったくせに……ケインはアンタなんかよりずっと強いんだから!」
「ムフフフ、守られながら足を引っ張っていた貴女がそれを言いますか?鈴菜」
「クッ……!」
「まあ、駆け引きも含めて実力なのですよ。残念でしたね?ですが、貴方のことは役に立ててあげますよ、ちゃんとね」
そう言ってケインの髪を引っ張り持ち上げるドン・ステラ。
それを見て嫌悪感を抱いた日奈子が思わず聞いてしまう」
「ケインを……ケインをどうするつもり!」
「日奈子、鈴菜、君達には興味ありません。今大人しく逃げるというのなら見逃してやっても良いですよ」
「質問に答えなさい!」
「ムフフフ、そもそも貴女達はこの娘、ケインの正体を知っているのですか?」
「それ……は」
「ムフフフ、教えて差し上げましょう。ケインは異星人なのです」
「!?」
「ここから遠く離れた惑星の住人……いえ、世界を救った英雄でしたが、彼女はとある男を助ける為に遥々地球にやって来たのです」
「世界を……?」
「その星では魔王という悪の帝王が世を混沌に陥れていたのですよ。ですが、それを倒したのがケインだったのです。故に、ケインは異星で最強の人間だった……」
「そんな……事って………………」
「ムフフフ、これは良い実験材料になりそうですねぇ。魂エネルギーも豊富ですし、エネルギーを奪ったら『改造』をー」
「油断したな」
ケインはお喋りに夢中になっていたドン・ステラの首を後ろから絞めた。
「グゥ……ヌゥ……な、なぜっ?」
「悪いが僕は即死じゃ無い限り再生するんだ。油断させる為の演技だったんだが、お陰で髪の毛ボサボサじゃねえか」
「ふざける……な、そんな……スキル……」
「あるんだなこれが。最後だから教えてやるよ。僕のオリジナルスキルは『スキル重複』。あらゆるスキルが何度でも取得でき、効果も重複するんだ」




