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番外編(地球) ケインと魔法少女達⑱



一発殴られただけで、絶対に勝てない相手であるも理解したドン・ステラは早くも最後の手段に手をつけようとしていた。


「R型!来なさい!」


その言葉で、R型もといキュウはゲージの中から出て来てドン・ステラの元に駆け寄った。


ケインはさせるかとばかりに身を乗り出すが……


「おっと、貴方が全力で動けばキュウは死にます。貴方達のお仲間が助けられなくなりますよ?」


「クッ!……」


ケインがドン・ステラの認識上回るスピードで動く事は可能だ。

だが、キュウは元々弱い魔物である上に、度重なる『改造』により、体も心もボロボロになっていた。きっと、ケインの全力のスピードで動けば発生する衝撃波にキュウが耐えられないかもしれない。


当然キュウが衝撃波に耐えられるスピードで動けばドン・ステラに先に動かれて最悪キュウを殺されるかもしれないのでそれも出来ない。


つまり、キュウを人質に取られたのだ。


それでもキュウが衝撃波に耐える可能性や、ドン・ステラがケインが保護するより先にキュウを殺す確率などを諸々考えれば、精々五分五分な気はするが、逆に言えば50%は死ぬと思われるのだ。


そして、キュウが死ねば魂のエネルギーの回収方法が完全に無くなる。そんな危険でハイリスクの賭けには出られない。


ケインは少し認識が甘かったのだ。ドン・ステラに勝つ事は容易だが、勝った後に言う事を聞かせなければ日向を含め、今回の事件の被害者達を助ける事は出来ない。


現状魂のエネルギーの操作が可能なのがキュウだけである以上、キュウを人質に取られてしまってはこちらは一切動く事が出来ないのである。


結局成す術なく、キュウはドン・ステラの元に到達してしまった。


「よしよし、よく来ましたR型。さあ、儂に残りの全てエネルギーを渡しなさい」


ドン・ステラの最後の手段。それは残りの全エネルギーを自分に付与する事だったのだ。


だが、そんな事をすれば……


「何を馬鹿な事を……お前自身が言い出したんだろうが。他人から奪ったエネルギーを自分に付与するのには限界があると」


ガルドやテクストの『バーストライフ』の場合は自分のエネルギーを消費しているので、自身の体との親和性が高く、エネルギーが暴走して死ぬという事はほぼ無い。


だが、どうしても他人のエネルギーは体との相性の問題で、フル活用が出来ない上悪影響があるのだ。


そもそも、ガルド達が使う『バーストライフ』と、他人から奪ったエネルギーのパワーアップは根本的に原理が異なり、『バーストライフ』の方はエネルギーを消費して瞬間的に戦闘力を上昇させているのだ。故に、エネルギー量自体は増加しておらず、過剰な量の魂エネルギーに身を滅ぼされる事もない。


だが、ドン・ステラが使う方は、自分自身のエネルギー量に上乗せする事でパワーアップしているのである。


この場合、半永続的なパワーアップが可能なのだが、過剰なエネルギー量を付与するとその身を滅ぼされるというわけである。


それを無視してドン・ステラは残りのすべてのエネルギーを使用しようとしていた。


「ムフフフ、一か八かの賭けですが……勝算はあります!」


ドン・ステラはキュウから得たエネルギーだけでは無く、自分自身の魂のエネルギーも消費した。


こうする事により、魂のエネルギーが消費され続けて過剰なエネルギーが無くなり、更なるパワーアップが可能になった。


「ハァーッ!!!」


結果……成功してしまった。


「ムフフフ、先程は失礼しました。第二ラウンドを開始しましょうか」


ドン・ステラがパワーアップしたスピードで動く。


そのスピードは先程までとはレベルが違い、ケインでもギリギリで対応した。


「クッ!」


「……これも反応しますか。成る程強い。ですが!」


ドン・ステラはケインに追撃を与え続ける。


ケインは何とか捌いているが、捌き切れてはおらず、いくらかダメージを喰らっている。


「ムフフフ、どうしましたどうしました?先程はあれほど威勢の良いことを言っていたというのに!」


ドン・ステラは更に力を込めた。


戦いはクライマックスへと移って行ったのだった。






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