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番外編(地球) ケインと魔法少女達⑨




「そう……か。日向がそんな事を……」


日向に叩かれて何も言い返せなかった鈴菜は逃げる様にその場を去り、ケイン達の元に戻って全てを話した。


日奈子は信じられないという顔をしていたが、赤くなった鈴菜の頬と泣きそうな顔を見て悟ったようだ。


「こうなったら、調べるしかなさそうだな。キュウについて」


「キュウについて……?一体どうやって?」


「この間僕達がワイバーンを倒した街。あそこで実は殺気を2つ感じたんだ。恐らく街の人を殺した毒使いだと思うけど、あの後僕が街に行ってももう気配は無くなっていた」


ケインは日向を病院に送り届けた後、ワイバーンを倒したあの街にもう一度赴いていたのである。

だが、残念ながら来る直前まで感じていた殺気の持ち主は既にいなくなっていた様で、ワイバーンの死体すら無くなっていた。


「殺気の正体がキュウだったとかは……?」


「有り得ない。僕がどれだけ修羅場を潜り抜けてきたと思ってる?キュウは、戦闘中もずっと僕の近くにいた。あんなに至近距離にいて殺気を隠せるわけが無い」


「そっか……じゃあ、いるんだね?ワイバーンとキュウをけしかけた奴が」


「ああ、その可能性は高い。でもとっくにワイバーンや奴等の痕跡なんて消されてるだろうから……」


ケインは鈴菜と日奈子に耳打ちで作戦を説明する。その作戦に2人は乗ることにしたらしく、コクリと頷いた、


「じゃあ、決行は今夜9時からだ。準備しておいてくれ」


そうして、3人は一度自分の家に帰ることとなった。



………………………………

………………

……


夜中の8時50分頃。

病院の前の駐車場にて、ケイン、鈴菜、日奈子の3人が集まった。


「それじゃあ、あの街に行くとするか。2人とも、手を繋いで」


鈴菜と日奈子は言われた通りに手を差し出す。


「……」


「ん?どうした日奈子」


「いや、何だか魔法少女らしくなってきたなって思って」


「どこがだよ。くだらない事言ってないで早く行くぞ」


「もー!くだらなくなんて無いのに!」


「『縮地』!」 


こうしてケイン達3人は病院から縮地で飛び立った。


そして、その様子を遠くから見ていた人物が1人……


「ふう……ようやく行ってくれましたか。それにしても、わざわざ夜中に居なくなってくれて有難い……ムフフフ」


不審な人物は気配を殺したまま、院内に潜入する。


そして、抜き足忍足で日向の病室へと向かった。


音を立てない様慎重にドアを開けると、ぐっすりと眠る日向と、何とも可愛らしく眠るキュウがいた。


「ムフフ。おお、愛しのR型、元気にしていたかい?」


そっとキュウを抱き抱えると、不審な人物はそのまま病院から立ち去ろうとする。


……が、そこで足を止めた。


「せっかくです。この娘からもエネルギーを頂いておきましょうか。ワイバーンを倒された恨みもありますしねぇ……」


キュウを抱いたまま眠る日向の方に向かい、立ち止まるとキュウの頭にデコピンを喰らわせる。


「キュウッ!?」


「ほら、起きなさい。仕事ですよ」


目を覚ましたキュウは不審な人物を見るなり怯えた様な目をした。だがすぐに大人しくなり、首を縦に振る。


「この娘から残りを全て吸いなさい」


「き、キュウ……」


キュウはそれに従い、日向の首元に噛みつこうとする。


……が、ここで病室の明かりがついた。


「まんまとハマってくれたな。お前は何処の誰で何が目的だ?」


明かりをつけたのはケイン達3人である。

日奈子と鈴菜はそれぞれ『圧縮』と『光の矢』の構えをしている。


「ケイン……あの街に調査に行ったんじゃ?」


「どうせあの街に行っても残ってる事なんて無いだろう?入念にお前が痕跡を消した様だからな」


「……はぁ。まんまと儂は罠にかかったという事ですか。悔しいですねぇ」


「悔しがるのも良いけど、お前この後どうなるか分かってるだろうな?」


「勿論……逃げさせてもらいましょう」


「させねえよ」




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