表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/227

外伝63話 危険



戦いが始まって五秒。

意外にも両者は互角の戦いを見せていた。


といっても、何か高度な事をしているわけではなく、お互い武器を持っていないので拳で殴り合うだけである。


ケインのステータスは素で50万程だ。

これにガルドの『魔王』の効果でステータス50万が追加され、100万。


対してシムのステータスは実に2000万を超える。


20倍以上のステータス差がありながら戦いが成立していたのは当然訳がある。


「why……?ケイン何故貴方が『狂化』を100%発動出来ているのですか?」


「『リラックス』、このスキルを知っているか?」


「YES、勿論知っていますとも。精神を一瞬正常に固定させるスキル貴方が『狂化』を100%使う為には欠かせないスキルです。しかし、おかしいではありませんか。もし貴方が『リラックス』を使えたとして、それを使えば『狂化』の方は使えない。スキルの同時発動は……」


「出来るんだなこれが。今まではエルナにかけてもらうしかなかったが、エルナが使ってたみたいに意識の二分化をすれば『狂化』を使いながら『リラックス』で精神を安定させられる」


「Hu、よくもまあぶっつけ本番で成功させたものです」


「ああ、ずっと自分の体の中で何か別の誰かがいる感覚があった。ガルドの事だと後で知ったが、お陰で自分が2人いる感覚は掴めたってわけさ」


「I see、but、貴方のステータスは精々が200万程。まだ10倍以上の開きがあります。しかも……」


喋っているシムの口元が『ダークレイ』によって貫かれた。


これを見てシムが納得した。


「OK、成る程。ガルドが貴方の体の中で魔法を発動させてサポートしていたという訳ですか。これなら実質的な戦闘力は400万までいきます」


「それだけじゃない。シム、てめえは勘違いしてる」


「What!?」


「通常ステータスってのはゆっくりと上げていくものだ。だが、お前の場合は違う。初めて会った時は精々70万くらいだったが、今のお前は2000万以上。一気に強くなりすぎたんだ。短期間でな」


「それがどうしました?」


「分からないか?体の動きに精神がついてこれてねえんだよ。特にスピードに関しちゃ自分で目で追い切れてねえからセーブするしかない。まだ実力の半分も出しきれてないぜ」


「……」


「あと、お前の得意な魔法……使えないだろ?」


「チッ、バレていましたか」


「当然さ。お前のメインウェポンはその殆どが魔法だ。ステータス配分はかなり魔力に偏らせているんだろ?だが、『ワールズエンドトリニティ』は発動に隙が大きく、『万死』は撃った後のリスクがデカすぎる。なら通常魔法を使うしかないが、闇属性はガルドに邪魔されて使えず、光属性も、闇属性の対極だから対消滅する。お前には時点で威力の高い風か火属性しか残されていないんだ」


「Really、ワタシが嫌がることをしてくれますね貴方は」


「以上の事からお前の実質的な肉弾戦のステータスは500万以上、1000万以下と判断した訳だ」


「YES、正解ですよ。ですが……」


「!?」


「ワタシとここまで戦えたのは流石ですが、やはりまだステータスの有利でワタシの方が上の様だ」


ケインは捌き続けていたシムの攻撃をまともに喰らってしまい、目眩を起こした。


瞬時に適当な位置に『縮地』し、シムから逃れる。


……が、


「NO、逃しません」


「クッ!」


シムは自らも『縮地』を使ってケインの目の前に立つ。

そして、『ワールズエンドトリニティ』を発動した。

 

「確かに貴方はステータス以上にワタシと健闘しましたが、10倍の差はデカすぎましたね」

  

「まだだ!」


「……?」


ケインはこの土壇場で意識を3分化して、3つの魔法を放つ。全てに『投擲』の効果を与え、更にがガルドも『ベンタブラック』を放つ。


ガルドはベンタブラックを発動させた直後に闇属性最強の『暗黒』という闇属性の威力を底上げする支援魔法を発動して更に火力を底上げする。


ケインもこれだけに終わらず近くの大木をへし折って『ワールズエンドトリニティ』に『投擲』を付与して投げつけ、最後に自らが思いっきり殴りかかった。


結果………………


「NO、想定外でした。まさか『ワールズエンドトリニティ』が完璧に止められるとは」


「危なかった……」


「YES、ケイン。正直に言うとワタシは貴方との戦いわなかなか楽しんでいます。ですが時間はもうありませんからね。神鈴木が復活するまで後3分といった所でしょう。これで終わりです」


そう言うと、シムはルーナの奥の手であった『万死』を発動した。


「『万死』……ですが、弱点であった自身へのダメージと使用後動けなくなるデメリットは『全能神』で改善しました。代わりに生贄にするスキルが10000に増えましたが、今のワタシからすれば10000程度なら大した戦闘力の低下にはなりません。さようなら」


シムの手には表現し得ない色が妖艶に輝いていた。


(おい……、ガルド)


(なんすか?)


(あれ安全に止めれる方法ある?)


(丁度俺もおんなじ事聞こうとしてましたよ)


(そうか……なら、安全じゃないとしたら?)


(……それも、聞こうとしてました)








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ