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第31話 パワーアップ




「グぅ……ケインさん、ちょっとこれは反則じゃあないっすか?」


「馬鹿野郎、これでもかなり頑張ったんだ。これくらいは出来なきゃ困るよ」


「やれやれ……種は教えてもらえなさそうっすね。にしても……まさかケインさんが魔法を使える様になってしまうとは」


「降参か?」


「まさか!」


ガルドはそのまま戦い続ける……が、ここでケインが狂化を発動した。

狂化の発動率は凡そ20%である。

ほとんどのステータスが1.5倍になり、当然魔術の威力も跳ね上がった。

更に、魔術を放つ直前にけいんが手で触れる事によって投擲の効果が付与されて確実に当たる。コントロールを考えなくて良い投擲と魔術の相性は最高であった。

肉弾戦しか想定していなかったガルドにとって、この状況は実質2対1……否、ナイフも警戒することを考えると3対1に近い。(ナイフは圭吾から拝借した)

そもそもとして、魔法及び魔術の威力とは何で決まるのか?

大まかに分けると2つの要素がある。

1つは熟練度だ。使えば使うほど威力が増していく。

そして、2つ目はステータスの魔力強度である。

ケインの魔術はまだ熟練度は足りていないが、魔力強度はピカイチだ。

例えれば、肉体は最高だが技の出し方をよく分かっていない駆け出しのボクサーがパンチを打つ様なものである。

しかし、その肉体は世界チャンピオンの筋肉の質すら易々と超えるのだ。

ケインが習いたての魔術を使ってもガルドに効く理由がこれである。

だが、本来ケインのステータスで魔術を使えばガルドでももっと大きなダメージを喰らっていた筈だ。

それはやはり、まだ発展途中故に魔術の威力が落ちてしまったからなのである。

ケインの魔術はガルド相手では決めてにかける……が、それも時間の問題だ。

殆ど無限に近い量の魔力を持つケインが、狂化で更に魔力量を跳ね上げたのだ。

まず間違いなく魔力切れになることは無い。

ガルドの回復力はケインや孝勇ほどでは無いのでその内持久戦に打ち勝ったケインが勝つ……というわけだ。

それは察したガルドは奥の手を使った。

魔王城でやった時と同じ、自らの命を燃やしての決着だ。

あの時はケインが狂化を100%使っていたから、殆ど互角の戦いになっていたが、今はエルナが居ないので狂化は全力では使えない。


「ケインさん!俺はまた貴方と戦えて幸せでした!『バーストライフ』!」


ガルドは命を燃やすあの技を『バーストライフ』と名付けてコントロールする事に成功した。

そう、命を燃やすスピードを更に加速させて数秒だけの強化にする事によって、あの時よりも更に短時間の超パワーアップに成功したのである。

本来なら命を削り切らないように、リスクを減らした短時間のパワーアップ等も出来たのだが、恐らくケイン相手にはそれが通じない。

ならば今出来る最大限の技でケインに挑もうと考えたのだ。

ガルドのステータスはその殆どが40万前後。

短時間の超パワーアップによって全能力が30倍まで上昇する。

すると、実質的なステータスは1200万程になる。

10秒と持たないだろう。

下手したら5秒しか生きられないかもしれない。

だが、それだけの力を手に入れれば間違い無くケインにも勝てるのだ。

だからガルドは迷う事なく実行した。






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