外伝29話 魔王ガルドとは?
空間が歪み出して数分経つが、未だに目的地には着かないようである。
「あの、ルーナさん?あとどれくらいでつきますか?」
「そう焦らないで下さい。私のスキルでは貴方方のと違いに到着まで時間がかかってしまうのです」
「はぁ……そうですか」
「ところで、貴方は魔王ガルドを倒したそうですね」
「え!ああ……まあそうですけど」
「本当ですか?」
「いや、別に1人で倒したわけでは無いですよ。仲間と力を合わせて戦い……」
それを聞いたルーナは少しだけ表情に変化が現れる。しかし、その変化を表に出す前に何か別の魔法を発動しようと、魔法陣を展開させた。
「申し訳ないですがケイン、少しテストさせてもらいましょう」
「え?」
気づくとケインの周りの景色が変わっていた。
そこはかつてケイン達が倒した筈の魔王ガルドの城であった。
憶えている光景と全く同じ……
変化があるのは、エルナとクリフが居ないという事くらいである。
「は?何だよこれ……おい!ルーナさん!これは何ですか!」
「ケインさん……貴方と戦える事に喜びを感じています。覚えてますか?初めて俺達が会った時のこと……」
ガルドは何やら語り始めた。
……が、ケインはそんなことにはほとんど耳を傾けず、考察していた。
多分これはルーナが作った空間である。どうやったらこんなものを作り出せるのか見当もつかないが、先程の口ぶりからしてそうであろう。
敢えて推測するなら過去の世界の再現とか、記憶の世界を作り出す、とかそんな所であろう。テストすると言っていたが、恐らく僕達をルーナが連れて行く場所まで連れて行っていいかを判断しようというのだ。
「……って、聞いてるっすか?ケインさん」
「ん?ああ、悪い悪い。何だっけ?」
「はぁ……、ケインさん、貴方が脳天気なのは知ってますが、こんな魔王とサシで決戦の場面でも考え事するなんて……」
「ごめんって」
「まあ良いや。たしかに俺達の間に言葉は余計……不要だったかもしれないっすね。あの時みたく、剣で語り合いましょう!」
「そうだな……かかってこい」
「ベンタブラック!」
ガルドは初手で奥の手の筈のベンタブラックを発動した。
ケインはこれらの殆どを避けて、致命傷になりかねない物は剣で捌き、かすり傷で済む物は見逃した。
「やっぱ強力だな……」
「まだっすよ。やっぱり甘いですね!黒黒稲光!」
「速っ!」
ガルドの闇魔法を剣に乗っけてレイピアを突き刺す様に突進して来た。
どうやらベンタブラックの方を囮に使ったらしい。
だが、手数が多いのはガルドだけでは無いのだ。
ケインに当たる直前に、後ろからナイフが飛んで来たのだ。
気配を察知したガルドは咄嗟にそれを避けたが、これがダメだった。
ケインがその隙を見逃さず追撃を入れたのだ。
「グッ!……忘れてたっす、投擲の事」
「忘れてもらっちゃ困るな」
「それにしても、随分ダメージが少なく無いか?結構本気で追撃した筈だが……」
見ると、ガルドの体にある傷はかなり少なかった。
「さぁ?何ででしょうか?」
「まあ良いや、さっさと終わらそう」
口ではケインもそう言ったが、この時のケインは結構焦っていた。
何かがおかしい、と。
ケインの実力は前にガルドと戦った時より上がっている。地球で魔物を倒した事によりステータスが軒並み上昇しているのだ。
今はエルナやクリフが居ないが、それでも少し、押し切れない感がする。
ガルドは過去最強の敵ではあったが、命を燃やした状態のガルドなら兎に角、通常状態のガルドは今のケインならもう少し圧倒できる筈だ。
それに、こちらの動きを読んでいる様にも見える。
こちらは一度ガルドと戦っているからその分有利……と思っていたのに、まるでそのアドバンテージを感じさせないのだ。
(まさか……まさかとは思うが、いや、もし本当にそんな事があったら、僕は一体どうすれば……)
戦況は寧ろ、ケインが不利であった……
名前 ケイン
Lv170
体力 134780 / 134780(645)
魔力 252217(605)
筋力 519094(606)
速度 540563(604)
肉体硬度 185973(588)
魔力強度 252233(621)
幸運値 25
スキル
ステータスボード
スキル重複
投擲×9999
縮地×9999
片手剣の基本×9999
身体強化×9999
防御の初心×376
防御の基本×9999
魔法の初心×1503
魔法の基本×9012
回復の基本×9999
大剣の基本×9999
短剣の基本×9999
両手槍の基本×9302
魔星×9999
狂化×9999
筋力上昇×1000
速度上昇×9999
薄膜×9999
体力のギフト×47
力のギフト×151
速さのギフト×260
防御のギフト×150
魔法のギフト×100
称号
ゴブリンキラー
四天王を殺した者
戦乙女
ヴァンパイア狩りの猛者
スライム狩りの猛者
ドラゴン討伐者
脱獄者
偽神
異星人




