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外伝28話 ソラの逃亡





ルーナがケイン達の元に現れた時、1番動揺したのはソラであった。


(なんなんだ!?アイツは!突然現れていとも簡単にアスタルテ様を倒して……知り合いのようだったが、利用する?何の話なんだ……)


ソラは得意の頭をフル回転させて可能性を考える。口ぶりからするに、ルーナは恐らく残りの亜神であろうと推測した。

話の内容からしてトルネロも亜神の1人であろう。

彼の方は当然神鈴木。

となれば、亜神4人の内ルーナは神鈴木側で、残りの3人が反逆側だったという事であろう。

しかし、先程残りの3人の方も片付けた、というような事を言っていたが、果たして仮にもアスタルテ並みの実力を持つ者を3人もほとんど同時に制圧する事など可能なのだろうか?

いや、可能なのだろう。先程見せられた圧倒的な力ではアスタルテ並みの者が3人居ても、大した足止めにすらならない。

では何故ルーナは怒っているように見えるのか?

ルーナは自分が利用されたと言っていた。

利用の細かい内容までは分からないが、ルーナの憤慨ぶりから見るに今回の計画に騙されながら手を貸してしまった……と言った辺りが正しいだろうか。


と、ソラは一瞬でこの程度までは考えた。というより、この場にいるケイン、恭弥、浅野の三人も概ね似たような結論に辿り着いた。

だが同時に、1番分からないのがルーナが敵か味方かである。

ケイン達三人は助けてもらった以上敵ではない……という考えであった。

やるならケイン達が全員潰してあってもっと消耗した後に不意打ちを仕掛ければ良かったからだ。

そうしなかったのは敵では無いか、あるいはそんな事をしなくてもいつでもこの場の全員を殺せる実力を持っているか……だ。

一緒に来てくれと言っている時点ですぐに殺される事はないだろう。そう判断してルーナが敵では無いと、ケイン、恭弥、浅野の三人は一旦結論づけた。

だが、ソラにとってはそんな事はどうでも良かったのだ。

何故なら、ルーナはアスタルテとは明確に敵対していた上に自分はそのアスタルテの部下である。しかも沢山人を殺した。

別に罪悪感等は持っていない。寧ろ高揚していた程であったが、ケインもルーナもそれを良しとはし無さそうである。

当然戦って勝てる相手では無い。

となれば、今取るべき最善の行動は……


「ふん、ここまでのようだな。またいつか会おうぜ。瞬間移動!」


ソラはちょっと長めの捨て台詞を吐いて何処かへ瞬間移動した。

一瞬の事だったので、ケインにも止められなかった。


「あっ、あの野郎……逃げやがった」


しかし、消えたと思っていたはずのソラはいつの間にかルーナの目の前にいたのだ。


「こんにちは」


「あっ、……え?何で?たしかに遠くへ瞬間移動したは……」


訳がわからない、と言った様子だ。ケインや恭弥も同じである。瞬間移動が不発したのか?否、ソラに限ってそれはあり得ない。となればルーナが狙ってやったという事だ。アスタルテの件といい全く能力の片鱗すら分からない奴である。


「そして、さようなら」


「へ?」


よく見ると、ソラは胴体が無くなっており、首だけの存在になっていた。

それにソラが気づいたのは死ぬ直前であった。マトモに痛みを感じる暇も無く、ソラは首だけもぎ取られて死んでいた。


「さてと、それではケイン。行きますよ」


「行くって……一体何処に?」


「着けば分かります。次元跳躍!」


その瞬間、あたりの空間が歪み出して、ケイン達全員が何処か知らない場所へと連れて行かれてしまった………







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