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外伝2話 来訪者


学校も終わり、俺は家へ帰る為に電車に乗っていた。

ワイヤレスイヤホンを耳につけて、好きなボカロを再生する。

しばらく電車に揺られていたが、途中で大きな音がした。

と同時に悲鳴が聞こえてくる。


「キャーーー!!ひ、人が……人が死んでる!」


「な、なんだあの化け物は!?」


「だ、誰か助け……グハッ」


窓の外を覗いて見ると、そこには血まみれの人達と、ライオンだが、尻尾が蛇になっている化け物を見つけた。


「え……」


次の瞬間、電車も急停止してしまった。

大きな衝撃が車内に響く。


「うおッと!……い、イテテ、何なんだ一体?」


電車前方から雄叫びが聞こえる。

なんだ……

そう思って前の方の車両を見てみると、自分の一両前の車両までが綺麗に消えていた。


「はっ……?」


目の前には何かの生物の爪。

嫌な予感がしながらも、顔を上げてしまう。

そこには巨大な二本足で立っている龍がいた。

その姿は、むしろ龍というよりも物語でいうドラゴンのようであった。

目と目が合う。互いに思考が停止したようだったが、数秒程してようやく声を上げた。


「い、嫌だァァァァァ!!!!」


情けない声を上げながら全力で逃げる。

勝てない。勝てるわけがない。

そう感じた俺は、自身に脚力増強の魔法を掛けて反対方向へと逃げる……

何故だかドラゴンは追いかけてこない。

全力疾走で数十秒。

既に1kmほど離れた。

ここまで離れれば……


そう思った俺だったが、甘かった。突然ドラゴンが此方に向かって全力で走り始める。

早すぎる。追いつかれてしまう。

魔法陣を組み立てて、走りながら牽制する。


「ファイヤーアロー!ロックシールド!エアバレット!ウォーターカッター!」


授業で習った魔術を無茶苦茶に撃つが、まるで通用を感じていなさそうだ。


ドラゴンは俺に追いつくとニヤリと笑う。

性格の悪い奴だ。

さっきは……あえて逃したのか。

こうやって、獲物が逃げ切れたと感じた瞬間を見る為に。

あぁ……結局この化け物は何だったんだ?

俺は何者かも分からぬ相手に殺されるのだ……

ドラゴンが腕を高く上げる。殺すのだろう。

抵抗しても無駄なので、そのままそこに座り込んでしまった。

振り下ろされた爪が俺に当たる瞬間、目の前であり得ない現象が起きた。

そこには、先程まで居なかった銀髪の美少女と白髪のロマンスグレーがいた。

銀髪の美少女は、ドラゴンの爪をモロに受けてしまったようだ。


「イッタァァ!!?な、何?縮地に失敗したの!?」


「……いいえ、ケインさん。景色が変わっています。成功したみたいですよ。しかし……ここは本当に地球でしょうか?なぜドラゴンがいるのでしょう」


「……は?」




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