表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/227

とある街のトラブル2




「ど、ドラゴン退治ですか!?貴方が?」


そう言ってギルドの受付嬢が声を上げた。


「はい。ここらの環境を荒らしていて困っているのでしょう?」


「……申し訳ありませんが、受理しかねます」


「えぇ……何でですか?」


「あのドラゴンは、ディーゼルランクの冒険者3人、Cランクの冒険者4人でかかったにも関わらず、倒す事ができなかったのです。悪い事は言いません。騎士団がつくか、高ランクの冒険者が来るまで待ちましょう」


「いや、僕は一応A……」


すると、そこに先程の黒髪の少女が割って入る。


「ん?君はさっきの……君もこの依頼を受けるのかい?」


「あっ!先程の……はい。ドラゴン退治をしようかと。貴方もですか?ナタリーさん」


「ええ、Bランクの私ならそのドラゴンにも遅れをとらないわ」


たしかに、ドラゴンの多くはBランクに分類されており、ステータス面で見るとBランク冒険者と同格だろう。

しかし、冒険者には知恵があり、単に暴れ回るだけのドラゴンとは訳が違うので、ナタリーさんが戦えばかなりの確率で勝つだろう。

……だが何か引っかかる。ナタリーさんの少し暗い顔にだ。


「……何か倒さなきゃいけない理由があるんですか?」


「大した理由じゃないわ。身内がドラゴンに連れ去られた。それだけよ」


大した理由じゃないか。


「す、すぐに救出に行かないと……」


「安心して、攫われたのは私の弟。それも4年も前の話で、この依頼のドラゴンとは関係ない奴よ」


安心は出来ないが……


「でもね、あれからドラゴンを見ると軽く殺意が湧いてくるの。ドラゴンに乗って消えていった弟の姿を思い出してね」


「……ドラゴンに乗って?咥えてじゃなくてですか?」


「ええ。普通ドラゴンなら獲物を見つけたらすぐに食べるか咥えて巣に持って帰るわ。だから弟がそんな風に連れ去られた理由がわからないのよ」


「弟さんのオリジナルスキルが『テイマー』とか『龍使い』だったりはしないのですか?」


「いいえ、そんなんじゃなかったわ。でも……分からないの」


「分からない?」


「弟のスキルが思い出せないのよ」


「それってひょっとしてー」


ドゴォォォン!!!


それは、ギルドの外から響いてきた音だった。

何なんだこれは?

数秒後にギルドに棋士の格好をした男が入ってきた。


「た、大変です!街の広間にドラゴンが……」



「「「なんだって!!!」」」



その言葉を聞いてすぐに動いたのはナタリーだった。

一瞬遅くケインも走り出す。

ケインはナタリーについていきながら話しかけた。


「街の広間とは何処ですか?」


「ここから北に200……いや150メートルってとこかしらね」


縮地を使えば一瞬だが、あまり使い過ぎないようにクウガさんが言ってたからなぁ……


「貴方は待ってなさい」


「ナタリーさん………それはドラゴンとは貴方が1人で戦うという事ですか?」


「ええ……ドラゴン如き、私が蹴散らしてやる」


その眼には復讐しか写っていない様であった……











新作、「パーティーを追放されて初めて泣いたら、スキル『泣けば泣くほど強くなれる』が発動して万能になりました。」を投稿しました!良ければ読んでやってください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ