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とある街のトラブル1

これは、ケインが修行していた空白の一年半の間の出来事です。



ある日の事……

エルナ達と修行を理由に別れたケインは旅をしていた。


「普段ならスライムを倒して、スキル増やして、ステータスを強化していけば良いんだけど……やっぱり偶には実践もしたいからな!」


ケインは色々な相手に対応出来るように、時々強敵と戦っていた。

今回は二つ隣の街で、ドラゴンが環境を荒らしているという噂を聞いて馬車に乗った次第だ。

別に縮地でも行けるが、旅行気分を味わってみるのも悪くはない。

そう思ってのことだった。


「どんなドラゴンだか知らないけど……楽しみだなぁ」


こうして、ケインはドラゴンの討伐に出向いたのだ。

街に着くとまず目にしたのは荒らされた畑であった。


「うわぁ……これは酷い」


早速その街の冒険者ギルドへと向かう。

すると、ギルドは小さくて今にも潰れそうな様子だ。


大丈夫なのだろうか?


そう思って中に入ると、意外に沢山人がいた。

しかし、ギルドに入ってきたケインの事を皆んな睨んでくる。

殺気……とまではいかないが、明らかに友好的ではない。

まぁ、冒険者なんて多少荒くれてるくらいが丁度良いだろう。

早速、討伐依頼の掲示板の下へ向かう。


「ドラゴンの討伐は……あった!」


ドラゴンの討伐に関しては金貨50枚という高値で依頼されている。

Bランクの魔物としては破格だろう。


「よし…じゃあこれを」


「よう、嬢ちゃん……綺麗な髪してんじゃねえか。どうだ?俺たちと一緒に飲まないか?」


依頼書に手を伸ばした僕の肩を触ってきた男は、昼間にも関わらずひどく酔っ払っていた。

後ろでは同じく酔った男達がニヤニヤ笑っている。


「悪いけど、時間ないから……」


「あん?俺たちの話を断ろうってのか?」


面倒くさい奴らだな……どうせ酒だけで終わらせるつもりもないだろうに。

少し痛い目にあってもらおうかと思って挑発しようとした時……

黒髪の少女が会話に入ってきた。


「待ちなさい!アンタら何やってるの!」


「チッ!ナタリーの姉貴じゃねえか。ちょいと新入りに先輩として、色々教えてやろうと思っただけだ」


「その色々の内容……詳しく聞かせてもらえる?」


「チッ!覚えてろよ」


男は諦めたようで大人しく席に戻っていった。

黒髪の少女……ナタリーは僕の側に近寄ると優しく話しかけてくれた。


「大丈夫あなた?あいつら自分がCランクだからって、逆らえない新入りに無茶させてんのよ。また何かされそうになったら、私に言いなさい。これでも私、Bランクなのよ」


Aランクの僕がいうのもなんだが、それは凄い。

この歳でそこまで上がるなんてよほど出来たことではない。


「ありがとうございます。そうさせてもらいますね」


なんとなく好印象を覚えて、僕はナタリーさんに挨拶をすると、カウンターに依頼書を持っていった。









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