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第十一話 戦争というもの


流石にあれだけ睨まれて参加するような図太い意思は持っていない。

あいつの言葉に従うみたいで癪だが、僕が実力不足なのも事実。

ここは大人しく引き下がることにしよう………








魔王軍撃退のために駆り出された冒険者の総数は500。戦う前から結果の見える戦いだと誰もが思っていた。


「よし!ではまず魔法を使える者と、飛び道具を使える者がここから遠距離攻撃にて奇襲。怯んだ所を近接専門の部隊が襲う。良いな!」


そんな作戦とも呼べるか分からない雑な作戦で冒険者たちは攻めていく。

冒険者はあまり戦争のような、多対多の状況に慣れていない。

あっても精々ゴブリン種やウルフ種なんかの群れをなす魔物との戦いだけ。

騎士達は、そういった戦いを想定した訓練をしている。

もし、個人で同じ程度の実力を持つ冒険者達と騎士団が戦ったら、間違いなく騎士団が勝つ。

3桁の人数で連携を取るということは魔法部隊や投擲隊が味方に当てないように気を配りながら戦うという事。

それだけでなく、騎士団ならば人数で優っていたら、間違いなく近接隊でグループを作り、複数で魔物と戦うだろう。

だが、彼等冒険者はそんな事をしなかった……


「おい!ふざけんな!魔法が俺に当たって体が動かな、……や、やめろ、来るな!あっち行け!……ぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「おい、犠牲者が出たぞ!どうなってんだ。安全な戦いじゃないのかよ!」


「だめだ、に、逃げろぉ」


遠距離部隊の麻痺攻撃が当たった大剣使いが、無防備な所をEランクの魔物に甚振られ……


1人犠牲者が出ては統率どころではない。

そこからはパニックになった。

人が死んだ……次は自分かもしれない。そう考えるといつも通りに動けなかった。犠牲者が少し出て、勝手に撤退し始める者まで出た。 

近接隊が崩れたのを見て恐怖を覚えた遠距離部隊も動揺して魔法のコントロールを失敗してしまう。



彼等は舐めていたのだ。


数というものを……


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