第百八話 2人とも変わったね
待ち合わせ場所である先程の広間に行くとエルナとクリフがいた。
「久しぶり、2人とも」
「!ケインさん…本当にお久しぶりです。無事で良かった……」
「大袈裟だなぁ…半年ほど前にも会っただろ?」
「でもやっぱり心配だったんですよ。ケインさんいつも無茶するし、ほっといたらどうなることやら」
「うっ…」
思い当たる節はある。この一年半も何度か死にそうになったし………
「まぁ、こうして無事に3人集まれたんですから、リヒトさんでは無いですが、今日は少し豪華にいきましょうか」
「リヒト…といえばさっき冒険者ギルドでリヒトを見たぜ。どうやら勇者パーティーを名乗って、自分達がいなかったら大変な事になってたぞ!とか脅しているみたいだ。僕達の偽物も用意してたけど…どうしよう?」
「そんなの騎士団に報告するに決まっているでしょう?」
「あの…でもそれって一応は事実ですよね?勇者が抜けたとはいえ勇者パーティーであることに変わりないですし、訴えても特に犯罪じゃないですから……」
「うーん……どうしよ」
「放置でも良いでしょうが、このままだと誰かに被害がありそうですね」
「別にさ、騎士団に言わなくても良いんじゃ無い?僕達が勇者パーティーです、って言ってそれを証明すれば良いだけだから」
「証明って…どうやって?」
「……」
「証明する方法が無いですよね?僕達は勇者パーティーを抜けたのですから。エルナさんが勇者とはいえ、今は勇者パーティーでは無いです」
「まぁ……見ず知らずの誰かが傷つくかもしれないってだけだからなぁ……目の前で誰かが困ってたら助けるけど、リヒトが悪いことすると限った話じゃ……」
「いや、絶対するでしょう。あいつ間違いなく悪いことしますよ。でもほっとくしかないですね。僕達が魔王を倒して帰ってこれば、アイツは何もしてなかったとバレるわけですし」
というわけでリヒトの事は一旦無視しようとなった。僕達が魔王を倒したその時に言えば良いだろう。
「そういえば、僕リヒトにホテルに来いって誘われてるんだった」
「行く必要ないでしょう」
「そうですね。あんな奴とホテルとか死んでも御免です」
「まぁ、端から行く気は無いけど。この調子だと街の女の子達が危なく無い?」
「でもそれって握手会に参加してた子を誘ってるんですよね?じゃあ別に良いんじゃ無いですか。好きにさせておけば」
「そうかな……」
結局その件に関しても何もしないという話になる。しかし、それが大きな間違いだったのだ。
ちょっと最近執筆ペースが落ちています。
明日多めに出したいと思うので許してください。




