ずるいずるいの妹と、苦労性の姉、どうしてそうなったかって?人のものを盗るのが趣味の妹のせいですわ! 魔法学園まで追いかけてきて私の婚約者をとろうとするからそんな末路になるのですわ!
ずるいーずるいーおねえちゃまばかりずるいー。
遠い昔の記憶です。
私の誕生日プレゼントを欲しがるずるいずるいが口癖の妹に、くまさんのぬいぐるみをとられたのがはじまりでした。
一歳違いで、おねえちゃまといわれても困ります。いつもこれだと思いつつ、私は年頃になれば離れられると甘い考えでいました。
「お姉さま、私来ちゃいました♪」
私はこれと離れるために魔法学園に入り、のんびり生活を謳歌してました。
するとまさか裏口入学? なぜか妹が入ってきたのです。
勉強嫌いのバカがどうして入れたのか……そこまでするとは思いませんでした。お父様。
二回生の私と一回生のあいつ、これから私はまたこれと顔をあわせなければいけません。
そして案の定。
「ずるいずるいですわ、どうして最後のお肉をお姉さまがとるのですか!」
どうしてこうなるのか、学食で最後のお肉を私がビュッフェでとったらまたこれがはじまりました。
仕方なく私が渡すと、ふふんといつもの笑顔がはじけとびます。
「……何かすごいわね」
親友のサビーネもあきれています。
私はこれの姉として噂されるようになりました。ええそうです。バカなのに学園に入れた謎と、この妹、外見はかわいいので、ぶりっ子をして人の恋人を盗る悪癖があったのです。
なんとかしてよおねえさんでしょあんた! と呼び出されますが、あいつは私にもどうにもできませんと説明すると、どうしてよと逆切れされ、私は池に突き飛ばされびしょぬれになったことさえありました。
私はいつもこれのために苦労させられてきたのです。
そして私が王太子殿下の婚約者に選ばれ、この妹のずるい攻撃が加速度を増し、殿下といるときにいつもお姉さま♪と私に声をかけてくるようになったのです。
「お姉さま、レオンハルト様と一緒なのですね。レオンハルト様♪」
「……」
無言のレオンハルト様、気持ちはわかります。サビーネ曰く、圧があるよねとのこと、こういうタイプが苦手なのですよね。
どうも私がこういうタイプじゃないので婚約者に選ばれたらしいのですが……。
これが妹だということは考えに入っていなかったみたいですわ。
「きゃああ、それは最新のドレスでですわ、そして……」
「……」
殿下は無口なのですわ。ああお願いです。ぴいちくぱあちく話さないでください。
私が祈っていてもこれに通じるわけがなく、ず~っと何時間も一人で話してます。
「……そろそろ話すのはやめたほうがいいと思うけど、リーデル」
「え、お姉さま、それは私に対する嫌味ですか?」
ああそうきたか。
私が注意したとたん、殿下ははあとため息をついて席を立たれました。
やはりですか。
ぴいちくぱあちく話す女は苦手だといわれてましたものね。
「失礼する」
ようやく言葉を振り絞り殿下は席を立たれました。
もう絶対こうなるのはわかっていたから、いやだったのです。
ええこれにもめげず妹は何度も殿下のもとにやってきました。
ある時殿下は私の顔を真剣に見てこう切り出しました。
「うるさい女を黙らせる方法などは知っているか?」
「知っていたらあれを黙らせてますわよ」
「そうだな……」
私はあれと縁を切りたいのなら、婚約を解消してくださいなと提案しました。
しかしそうしたらますますあれがひどくまとわりついてこないか? と殿下がたずねてきました。
「黙らせるのは無理ですけど、まあいい考えがありますの」
「ああ、わかった」
私たちは婚約を解消し、もとい私が破棄されたというか、妹談、しかし妹のアピールはあれからやみました。
私が立てた策のせいですけど。
「……とりあえずあれはどうなったんだ?」
「もっといい男をあてがえば、ああいう部類は黙ります」
「あはは私よりもか」
「あれにとってもっといい男ですわ」
私はふふっと殿下に笑いかけました。あれから私たちは再び婚約をして語り合う仲です。
私は女好きのナンパ男と有名で顔だけはいい伯爵令息をけしかけ、妹にアピールをさせたのです。
顔だけはいいし、かなりのおしゃべりなのであれと気が合っているらしいですわ。
ええ、最終手段でした。だってあの軽いバカ男と縁続きになる可能性なんてとんでもないと思ってましたもの。でもあのバカ妹を黙らせるには一番いい方法でした。
まあ縁続きとやらになったとしても私は家をでますので、もう関係ありませんわ。
私はふふっと笑い、似た者同士でうまくやってくださいね。多分無理でしょうですけどと思ったのでした。
だって女好きと男好き、おしゃべり好きが一緒になって幸せになった例は聞いたことがありませんもの。
殿下みたいなまじめな人が一番結婚にはむくのですわ。
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