シーロとこちらの恋愛事情
まだ雪の残る三月上旬。北鷹学園は記念すべき卒業式の日を迎えていた。午前10時に開始された式は滞りなく終わり、全校生徒が下校し始めた頃、学校の校門付近で卒業生を待つある一人の男子高校生がいた。彼の名は黄金崎流泉。『ヨミ』というあだ名で呼ばれている。性格は大雑把、あまり考えない男でとにかく惚れやすい。これまでに何度も女子に告白をしているが、一度も成功したことのない残念な男だ。ヨミは三年生の高山紗智の姿をみつけると、他には目もくれず彼女のいる場所に向かって真っ直ぐ歩いて行き……。