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2.真白はもしかして……


「はぁ……」


俺は、深いため息を吐きベッドに座り横になる。

未だに、昨日のことを受け止められずにいた。


「これって……真白に嫌われたってことなんだよな?」


フラれた理由も告げずに一人何処かに行ってしまった真白に、何故フラれたかの理由を聞くことはできなかった。


「なんでなんだよ……」


真白本人に聞いていないから分からないけど。

多分、俺は嫌われたんだと思う。

でも、嫌われたとしても何故嫌われたのかも分からない。


「ブンンンンン!!」


「うぉ!!」


一人でフラれた理由を色々考えていると、突然、スマホに通知が来たのでつい驚いてしまった。

そんなに真面目に考えてしまうほど、真白に振られたのはショックだった。

何の通知かと思い俺は、スマホを手に取る。通知はようつべからだった。


『クリぼっち同士で楽しいクリスマスを過ごそう!【茅場 唯華】』


お!唯華ちゃんが久しぶりに配信してる!

俺は、数か月ぶりに唯華ちゃんの配信を見ることにした。


因みに、唯華ちゃんとは。

ようつべで活動している超人気Vライバーだ。

一年前までは、二日に一回くらいは配信していたのでその時はずっと見ていたが、何故か俺と真白が付き合い始めたあたりから(去年の今日あたりから)、配信をしなくなってしまい、月一配信になってしまったのだ。


「一年ぶりかな?月二回以上配信してるの」


唯華ちゃんは、12月のクリスマスには予定があったらしく、クリスマス配信は行わないと、先週ツイッターで言っていたのに……


まぁ、推しVライバーの配信が見られるなら、理由はどうでもいいんだけど……


昨日のことは、一旦忘れて久しぶりに配信を見よう。

唯華ちゃんは結構テンションが高く、ドジっ子でもあるので人気が高いのだ。

唯華ちゃんの配信を見て元気になって、そして、もう真白のことを考えるのはやめよう。


そんな決意をして俺は、配信を見始めた。


『みんなぁ~、元気~?」


あれ??

心なしか元気がないような……

気のせいだよな?


いつものハイテンションではあるけど、少し無理して元気出してるような……


そんな事を感じていると、唯華ちゃんがリスナーのコメントを読んで楽しく雑談を始めていた。


『クリスマス、配信しないんじゃないの?』


雑談が始まって十分弱。さっきまで、普通に喋っていたのに、このコメントが流れて以降急に黙ってしまった。


「そ、それは……えっ、えっとねぇ………」


「まぁ、まぁ色々あったんだよ!」


へぇ、色々あったんだ……

あの唯華ちゃんが落ち込むくらいのことが……


そんなことを考えていると、ふと真白の顔を__少し泣いていた真白を思い出してしまった。


「あぁ!もう、真白のことは忘れたいのに~!」



***


「みんな、ケーキ食べてる?私はね、ショートケーを食べてるよぉ~!」


ショートケーキ……そういえば、真白もショートケーキが好きだったような……

って、何思い出そうとしてんだよ俺!

ていうか、真白と唯華ちゃんの共通点が多すぎるだろ!


そんなことを思っていると俺も気になる質問を見つけた。


『クリスマスイブは何してたんですか?』


確かに……

普通だったら、クリスマスイブに配信して、クリスマスの日は大切な人とか好きな人と過ごすはずなのに、何で昨日配信しないで今日突然配信始めたんだろう。


「えっとねぇ、大切に思っていた人と会ってたよ……」


唯華ちゃんは、悲しそうにそう答えた。

大切に思っていた人?その人と何かあったのかな?


「……………」


あれ?なんで急に黙っちゃったんだろう。


「……ごめんね、ちょっとマイクミュートにするね」


どうしっちゃったんだろう。

クリスマスイブの質問をされてから、今度は誰から見ても分かるくらい元気がなくなった。


「うくっ、ひっ、ひぃぃぃいいいいい……ん!……グスン……」


え??

マイクミュートにできてなくない?しかも、唯華ちゃんが泣いてる……

大丈夫かな?コメントで教えてあげようとしたら、他のリスナーがすでに何人もコメントで教えていた。

しかし、コメントを見ていないのか、唯華ちゃんはまだ泣いていた。


「あはは、私昨日から泣いてばっかりだなぁ……」


うっすらとだけど、音量をMAXにすると聞き取ることができた。

そして、聞いてはいけない気がしたが、気になってしまったので自分にもよく聞こえるようにスマホを耳に当てる。


「これも全て、秋人くんが悪いんだから!」


「……え!?今、秋人くんって……」


唯華ちゃんが自分の名前を呼んだ?

偶然だよな?聞き間違えの線もあるし。

ほら、もしかしたら秋人くんじゃなくて、あやとくんとか、自分に似た名前の人なんていっぱいいるし、俺の名前を呼ぶはずがないよね。


「よし、そろそろミュートオフにして配信に戻らないと!って、あれ?ミュートオフにできてなかった!?」


ミュートをオフにし忘れていたことに気付いた唯華ちゃんは、オフにし忘れていたことに対して少し焦っているようだった。


『唯華ちゃん、大丈夫?』


優しいリスナーが、唯華ちゃんの体調を憂いで『今日の配信はやめといたら?』などとコメントしているのが見えた。


それに対して、唯華ちゃんは、泣いた直後という事もあり、作り笑いに近いような寂しそうな声で


「ううん!大丈夫だよ!それよりも、これからは二日に一回くらいの頻度で配信するからよろしくね?」


普通だったら、嬉しい報告も、俺には聞こえていなかった。

何故なら彼女は……


「真白はもしかして、唯華ちゃんなのか?」


いや、まさか、そんな訳ないか!

……そんな訳ない……よね?


きょ、今日はもう一話出します!

これは昨日の分なので、今日は今日の分でしっかり今度こそ20時に投稿しますので!


最後に、この先が気になったりしたら、ブクマやポイント評価をよろしくお願いします。

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